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なぜ相対取引(OTC)をする必要があるのか?その4つの理由

仮想通貨の取引は、取引所を介して取引を行う『取引所取引』が一般的です。しかし仮想通貨の取引では取引所取引以外にも取引所を通さずに売り手と買い手が1対1で取引を行う『相対(あいたい)取引』、売り手1人に対して多数の買い手で取引を行う『競売買』などが存在します。今回は『相対取引』について紹介します。

相対取引:OTC(over the counter)とは?

相対取引とは、1人の売り手に対して1人の買い手によって行われる取引です。英語では店頭のカウンター越しに行われる取引という意味でOTC(over the counter)取引と呼ばれています。実際に店頭で行われる取引以外に、電話・メール・掲示板・SNSなどの方法で行われる場合もOTC取引に含まれます。

相対取引では、2018年6月現在売り市場であるビットコイン相場でも相対取引では買い注文が多い傾向にあります。米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から銀行免許を受けている仮想通貨取引所itBitは、最低額10万ドルから相対取引を認めています。この取引所の取引額を見ると、多い時には買い注文の1.2倍を超える売り注文が出ていることもあります。

相対取引の問題点として、信頼できる相手を見つけられるかというものがあります。2018年4月には兵庫県神戸市にて相対取引を装った詐欺容疑で7名の男性が逮捕されています。被害額は約1億9,000万円にも上っています。

しかし、現在は信頼できる業者や取引所などが相対取引を行っていることもあります。日本国内では2017年1月から金融庁認可済みの仮想通貨取引所であるBITPointが、OTC専用窓口を設置しサービス提供を開始しました。相対取引が行われるのは以下4つの理由があります。

相対取引は相場に影響されにくい

相対取引の特徴は、互いの条件が一致していれば取引が成立することになります。2018年7月のビットコイン相場は約68万円です。取引所取引であれば68万円前後でなければ取引成立する可能性は低いです。しかし、相対取引であれば現在の相場は余り関係なく、互いの了承さえあれば1BTC=50万円であっても1BTC=100万円であっても取引は成立します。
またこれらの取引は取引所を介さずに行われるため、取引所への影響もありません。似たような理由から生まれた取引方法としてボックス取引というものが存在します。このボックス取引とは、相場に大きな影響を与えかねない規模の大口の取引をする場合に使われる取引方法です。この方法では、すぐには取引所を介さずに一定期間を置いてから取引所に公表されます。時間をおくことで相場への影響を和らげていているわけです。このボックス取引は、Facebookのアイディアを提案したWinklevoss兄弟が経営する仮想通貨取引所Geminiなどで採用されています。

相対取引はスプレッドがない

仮想通貨取引所の利益は、実際に行われた取引に上乗せする形で生み出されています。この上乗せ分をスプレッドといいます。スプレッドは取引所によって異なっていますが、明確な数字は非公表になっていることが多いです。ただしbitFlyerZaifのような販売所も併設している取引所では、販売所と取引所の差額によってスプレッドを推測することが可能です。
取引所取引であれば、どこの取引所を使ってもスプレッドを支払う必要があります。しかし相対取引であればスプレッドを支払う必要はありません。相手の了解さえ得られれば相場よりも安く購入したり高く売却したりできる相対取引ですが、仮に相場通りの価格で取引する場合でもスプレッド分だけ有利に取引することが出来るわけです。

仮想通貨取引所にはセキュリティ問題がある

近年仮想通貨取引所からの資金流出が相次いでいます。日本国内では2018年1月のコインチェックの約580億円のネム(NEM)が流出する事件が発生しました。問題はネムだけに留まらず、ビットコイン以外の全ての通貨が取引・送金が停止されました。2018年3月から順次再開されていますが、2018年7月現在ではまだ全面再開にまでは至っていません。加えてコインチェックに保管されていた日本円さえも出金に制限がかけられました。

2018年2月にはイタリアの仮想通貨取引所BitGrailから1700万ナノ(Nano)がハッキングによって奪われています。当時の相場で1700万ナノは、約204億円でした。ですがその後に下落が続いており、2018年7月の相場では約44億円にまで落ち込んでいます。
更にBitGrailは、このハッキング被害により破産騒動にまで発展しました。無事2018年5月から営業再開していますが、2ヶ月あまり経営が止まったことには変わりありません。

仮想通貨取引所による資金流出では、保管していた現金や仮想通貨が直接被害を受けなくとも出金停止や取引所そのものの稼動停止など様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。相対取引ならば仮想通貨取引所を介さないため、このようなトラブルを回避することができます。

取引所は国や地域による規制がある

国や地域によっては仮想通貨の取引を禁止しているところも存在しています。特に中国ではマイニング報酬によりマイナーが多量の仮想通貨を保管しています。一方で国により2017年9月から取引所閉鎖しているため、取引所取引を行うことはできません。消去法として相対取引が増えてきています。

まとめ

相対取引が必要とされる理由として、「相場の影響を受けにくく与えにくい」「スプレッドがかからない」「仮想通貨取引所のセキュリティ問題」「国や地域による規制」の4つを紹介しました。ですが相対取引の方が取引所取引より優れているというわけではありません。互いの特徴を知った上で状況に応じて使い分けることが良い取引に結びつきます。

 

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