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暗号市場:ビットコインが大幅上昇

11月12日の暗号市場でビットコインが大幅に上昇したことが明らかになりました。これにより米Coinbaseでは米ドル建16,000ドルを記録し、11月6日の年初来高値を更新しています。

ビットコインが16,000ドルで取引されたのは暗号資産バブル真っ只中の2018年1月7日以来、2年10ヶ月ぶりのことであり、過去最高値19,891ドルまで20%の水準に迫った値となっています。

心理的節目にもなった16,000ドル到達が記録された後、約500ドル幅反落しており、利益確定売りのポイントとして短期天井との見方も意識されていました。

また、金融市場は新型コロナウイルスのワクチン開発の進展で経済の正常化が早まるとの見方から、株高・債券安・ドル高・円安の反応が続いており、米大統領選はバイデン氏勝利がほぼ決まったことで不透明感が払拭されたほか、前週末に発表された10月の米雇用統計の結果も良好となったことを受け、投資家のリスク選好姿勢が週初から強まっています。

銘柄別で言えばコロナ感染拡大が向かい風となっていた金融などの景気敏感銘柄が買われ、逆に追い風となっていたハイテク銘柄に売りが膨らむ傾向にあります。

一方のビットコイン市場は、コロナ禍の経済対策で通貨のインフレ懸念などを材料に買われていた側面も強くなっていました。しかし直近では株式市場と相関しない独立した値動きも増加傾向にあり、ボラティリティが高まり、個人投資家を中心とした短期資金の商いも活発化する中で、底堅く推移する値動きから独自マーケットの強さをうかがわせています。

投資家にとっての好感材料

米フォーブス誌が高値を更新したビットコイン市場について、投資家が好感する材料を記事で紹介しました。企業や機関レベルの資金流入を期待する見方や、高値更新に連れてコメントが続く有識者の発言などを取りあげています。

記事ではJPモルガンが公表した、ビットコイン投資信託への資金流入ペースが金ETFを上回っていることを例にあげ、「以前はファミリーオフィスなどゴールドETFに投資していた投資家の一部が、ゴールドを代替する資産としてビットコインを検討している可能性がある。」として、風向きの変化を示唆しました。

また有識者からの見解としては億万長者の投資家Stanley Druckenmiller氏が米CNBCの経済番組に出演し、自身がビットコインを所有していることを明かしました。「金への投資が成功するのであれば、BTCはより多くの利益をもたらし得る。」とのドラッケンミラー氏の見解を紹介しました。

さらにビットコインにおける今後の展開についてアナリストRekt Capital氏は、月足としてビットコインが初めて13,900ドル以上の水準で確定した点を重要視し、「月足では、13,900ドル以上のレジスタンスは少ない。13,900ドル〜17,100ドルのレンジ内で推移する可能性は高いだろう。」とコメントしました。

さらに「今年を13,900ドル以上で終えることができればそれが年足として確定し、サポートラインとなる。よって、4年間の新たなサイクルに入ることになり、2021年は劇的な上昇を見込むことができるようになる」と期待も示しています。

懸念点もまだ残る

一方、懸念すべきポイントもあります。

データ企業CryptoQuantによれば、取引所へのステーブルコインの流入は10月から大幅に減少傾向にあるとの見方が示されています。マイナーから取引所へのビットコイン流入は再び加速しつつあり、「利確」へ動き出したことが示唆されているということです。

ステーブルコイン流入は暗号資産市場の新規マネーの主流な資金フローとなっていたため、買い圧力の低下を示すとCryptoQuantは指摘しました。

これにはOTC取引とステーブルコインを用いた取引需要の高い中国で、OKEx等の問題が長期化していることも主要因となっています。OKExの出金停止措置からすでに3週間立つ中で、続報はなく市場が嫌気する不透明性が強まっていることも懸念材料となっているのです。

また、市場の過熱感を図るRSIでは、過熱を示す70を超えたことが判明しています。

RSIについては、暗号資産ビットコインの相場推移を「ストック・フロー比率(S2F)」モデルを用いて分析することで有名なアナリストのPlanB氏も紹介しており、月間インデックスではRSI70に達しているものの、過去のバブル期の傾向からビットコインの最も高い過熱はRSI90〜95付近にあり、未だ高値更新の余力があるとして市場の勢いを紹介しました。