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ProgPowとは

20195月現在、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムはまだPoW(プルーフ・オブ・ワークス:Proof of Works)のままです。

しかしPoWの問題点が顕在化してきたこともあり、PoWからPoS(プルーフ・オブ・ステイク:Proof of Stake)への移行準備が始まりました。

PoWからPoSへの移行は一度に行われるのではなく、段階的に計画されています。既に移行準備は始まっており、次期コンセンサスアルゴリズムとしてProgPoW(プログラマティックPoW:Programmatic Proof of Works)への移行が計画されています。

今回はProgPoWについて解説します。

 

ProgPoW(プログラマティックPoW:Programmatic Proof of Works)

ProgPoWへと移行する理由

イーサリアムがProgPoWに移行する理由はASIC耐性を持たせるためです。ASICの特徴は特定の計算を専門的に行わせることに向いているところにあります。

開発に資金がかかることからASICの利用は見送られてきました。しかし仮想通貨のマイニングマシンへの応用に成功、その後ビットコイン・イーサリアム・ビットコインキャッシュ・モネロなど、さまざまな銘柄でASICによるマイニングが行われています。

ASICによるマイニングの問題点は中央集権化です。ASICは開発資金が高いこともあり、ASICを搭載したマイニングマシンも高額です。そのためマイニングマシンを揃えているマイナーも限られています。

同時にASIC搭載のマイニングマシンは性能が高く、1台でも高い期待値で報酬を稼ぎ出します。

高額・高性能という2つの条件から企業レベルでASICを使ったマイニング参入が増加、この結果から一部のマイニングプールによる寡占・独占が始まりました。

20195月現在でも特定のマイニングプールによる独占・寡占が存在します。ビットコインではBTCドットコム・アントプール・F2プール・プーリン・スラッシュプールの5社でハッシュレートの51%を超えました。

このような寡占・独占状況から脱出するために、さまざまな仮想通貨がASIC耐性を持たせる動きを見せています。ProgPoWはこれらの銘柄に追従する動きです。

ProgPoWの是非

20195月現在、ProgPoWの実装は大筋で固まっています。しかしProgPoWは全面的に支持されているわけではありません。既にイーサリアムのマイニングを行っている大手マイニングプール企業にとって、ProgPoWの実装は不利に働くためです。

これらの意見の対立が発生すると見られたため、事前に非公式の投票が行われました。この投票では賛成約94%、反対約6%となっています。

資金調達

ProgPoW導入のために、クラウドファンディングによる資金調達も始まっています。仮想通貨の開発は開発者によって行われますが、開発したコードが安全かどうかは第三者である監査機関に委託しなければ客観性が失われます。今回調達されている資金は監査機関への調査依頼のために使われます。

今回資金調達に使われたのはクラウドファンディングのギットコイン(gitcoin)です。ギットコインではイーサリアムに関連付けられたステーブルコインのダイ(DAI)で資金提供を受け付けています。

ダイではボラティリティの大きな仮想通貨を関連付けるために複数の仕組みを導入しており、1DAI=1米ドルになるように調整されました。

資金調達は監査スケジュールに合わせて段階的に行われています。最終的な目標調達額は5DAIです。

ProgPoWの監査機関

監査機関はリーストオートリティ(Least Authority)です。リーストオートリティは2011年に結成、2016年にベルリンに移転された企業です。

リーストオートリティの創設者であるズーコウィルコックスオーヘン氏は現在、匿名性のあることで知られる仮想通貨ジーキャッシュの最高経営責任者を務めています。

リーストオートリティは過去にもイーサリアムの監査を行いました。最近ではジーキャッシュの監査も担当しています。

ProgPoWの監査内容

ProgPoWで監査する内容はセキュリティ・ASIC耐性・ハッシュ要素計算の速度アップ・ASIC作成にかかるまでの時間など複数あります。

特にセキュリティに関しては、アルゴリズムのセキュリティ・攻撃される可能性のある場所を確認するアタックサーフェス・51%攻撃のコスト・ProgPoWへと移行することによるその他のセキュリティリスクと細かく設定されています。

なお監査スケジュールでは527日から30日に完了、31日に最終監査レポートが配送される予定となっています。

 

まとめ

ProgPoWは話し合いが行われているだけではなく、既に非公式投票や監査など導入に向けて本格的な検討が始まっています。

導入日時など細かい部分はまだ未定のままですが、今後監査結果を踏まえて決まっていくでしょう。

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