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Topps:「空箱上場」を通じて、NFT事業を拡大

2021年3月に日本市場への進出を発表した米トレーディングカードのToppsが、米国で急増している「空箱上場」を通じて、NFT事業を拡大することを決定しました。

創業80年のToppsはSPACMudrick Capitalと経営における統合した後、株式上場を行いました。さらに同社は長年、ベースボールカードなどのコレクション品を販売してきた会社であるとともに、デジタル分野への投資も加速させるとの発表を行っています。狙いとしては世界的に人気が高まるNFT市場です。

米国では企業買収を目的とする「空箱上場」が急増しており、SPACは成長性の高い企業と合併し、株式上場を比較的に短期間で進める考えを明らかにしています。

このNFT市場が急成長するなかで、今回の交渉に合意したToppsは「成長を加速させる」戦略として、投資家に対する説明会でブロックチェーンとNFTに投資していくすでに発表しています。

同社はブロックチェーンを活用して多くのコンテンツを提供し、WaxOpenSeaなどのNFTのマーケットプレイスにおいてNFTの流通量を拡大させる予定であるとしました。

なお2020年の売上高は5億6,700万ドルを記録しており、ダッパーラボのNFTトレーディングカードゲーム「NBA Top Shot」は開始から10カ月で5億ドルを超える売り上げを計上しています。

企業で進むデジタル化

ToppsはNFTブームの初期、Waxと連携してNFTトレーディングカード「Garabage Pail Kids」をスタートさせました。最近ではゴジラがテーマのNFTカードを販売し、数時間で少なくとも50万ドルを売り上げ話題となりました。

マドリック氏は「NFTの流通市場から収益をあげることを期待している。」と語っています。NFT取引はプライベート・ブロックチェーン上に限定することができるため、流通市場での取引から手数料を得ることが可能です。

ダッパーラボも同じビジネスモデルを採用しているため、流通市場でのNFTの取引から5%の手数料を得ています。また同社は「フロー」というブロックチェーン上でNFTを展開しています。

一方、競合となる他のNFTマーケットプレイスの多くは、手数料が高騰しているイーサリアムブロックチェーン上でビジネスを展開しているため、コスト負担に悩まされているのが現状です。

北米企業がNFTで先行投資

現実の世界では新型コロナウイルスの拡大が続いてるにもかかわらず、コレクターはトレーディングカードに数十万ドルものお金を注ぎ込んでいます。

ブロックチェーンを活用した流通市場でデジタルコレクションの取引量を増やすことで、トップスは新たな収益源を獲得する可能性が高まっているとのことです。またダッパーラボは先日、事業拡大を進めるために3億500万ドルの新たな資金を調達しました。

契約に課題か

ToppsがブロックチェーンやNFTに参入してちょうど1年が経過しました。

「この分野のリーディングカンパニーになるには、相当の注意深さと投資が必要であるが、幸先のよいスタートを切った。」とアンディ・レッドマン会長はコメントしました。ブロックチェーンの取り組みは、eコマースにおける同社の取り組みと相性がよいとされており「将来のスポーツ・エコシステムにおける当社の地位をさらに確かなものにする。」とレッドマン会長は述べています。

一方、トップスとMLBやNFLとの間で取り決められている物理的なカードのライセンスを、単純にNFTに引き継ぐことは難しいとの声も多く上がっています。一部のアナリストはダッパーラボがNBAと行ったように、トップスはデジタル分野での新たな契約を提携する必要があると予想しています。