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SAFT(サフト)とは?意外と知らない仮想通貨の資金調達方法

最近のICOで注目を集めている単語にSAFTがあります。

SAFTとは、『Simple Agreement for Future Tokens』(未来のトークンのための簡易契約)の略称で、SECなどICOを取り締まる機関に対し違反するつもりがないことを明言するものです。今回はSAFTについて解説します。

SAFTとは

仮想通貨の取り扱い方は、国や地域によって異なっています。特にICOに関してはトラブルが続出している一方で将来世界を変えるほどの大きなビジネスに発展する可能性も秘めており、仮想通貨を容認している国でもICOについての枠組みつくりに関しては慎重な姿勢を見せています。

2018年7月現在アメリカでは既にICOに関する逮捕者が出ています。しかしこれらの逮捕者も、業務実績が無かったり書類に不備が見られたりと現在存在する法律から見ても違反と判断できる容疑により捕まっています。ICOで問題にされている不十分な本人確認やマネーロンダリングへの利用についての容疑での逮捕は行えない状態です。

しかし今後、SECなどICOを取り締まる機関が法整備を進める可能性は十分にあります。これまでにも仮想通貨やICOに関して調査を進めており、特に仮想通貨を証券として扱うかどうかが焦点になっています。そこで問題になりそうなグレー部分を前もって回避しておくことがSAFTの狙いです。

SAFTとICOの違い

SAFTとはICOに関するオープンソースの契約方法です。分散型ネットワークストレージの構築を目指す「Protocol Labs」が、アメリカのスタートアップ企業をまとめたサイト「AngelList」やアメリカの大手法律事務所である「Cooley」と提携してICOのプラットフォーム「CoinList」を立ち上げました。このCoinListが考案し採用している契約方法がSAFTです。

ICOを実際に行うためには、必要書類の作成や投資家への告知など様々な準備が必要になります。それらの準備を手伝ってくれる仕組みがプラットフォームの役割です。しかし通常のプラットフォームでは現行の法律しか対応を行えません。

SAFTでは現行の法律に加えて本人確認(KYC:know your customer)マネーロンダリングには使用しない(AML:anti money laundering)といったSEC規制も遵守しています。

なおSEC規制は発行体だけではなく、投資家にも制限が掛けられています。例えば個人投資家であれば年収20万ドル以上、かつ今後も年収を維持できる見込みがあるかどうかが目安です。既婚者であれば年収の条件が、20万ドルから30万ドルに上がります。法人の投資家の場合には資産500万ドル以上が条件になっています。

SAFTを使った事例

2017年9月にICOを行ったFilecoinは、実際にSAFTを導入しています。Filecoinは約25億7,000万米ドルの資金を調達し、2018年7月段階でのICO資金調達額ランキングでも6位になっています。

ICO調達金額ランキングトップ20一覧

Filecoinとは、Coinlistの立ち上げに参加したProtocol Labsが開発した分散型ネットワークストレージです。未使用状態になっている個人のストレージの他の人に貸し借りができることが特徴となっています。

ただし2018年7月段階で上場している取引所が少なく、中国の仮想通貨取引所L.bankによる取引量だけで全体の98%を超えています。Storj(STORJ)やSia(SIACOIN)といった仮想通貨とも競合していることも問題点となっています。

ICOで問題になっている事例

2016年5月にICOを行ったTheDAOは、約16億8,000万米ドルの資金を調達しました。この資金調達額も2018年7月段階のランキングで9位と上位にランクインしています。同時にTheDAOはイーサリアムとイーサリアムクラシックに分裂するきっかけを作ったプロジェクトでもあります。

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TheDAOの最大の特徴は、イーサリアムのスマートコントラクトを使った投資先の決定でした。イーサリアム同様に非中央集権構造となっており、管理者は存在しません。トークンを支払えば誰でも投資先の提案でき、過半数の賛成を得られれば投資先が決定となります。

しかしSECの判断では、TheDAOの発行元であるslock.itが実質的に発行を行っているために有価証券に当たるのではないかと調査されていました。
またTheDAOでは、年収等の制限もなく誰にでも販売されていました。このような問題に対処するためにもSAFTでは投資家にも制限が設けられています。

まとめ

SAFTを使った事例は現在でも見られます。最近では2018年5月からICOを開始しているコダックコインがあります。写真のフィルムや印画紙などを製造しているコダックが、著作権の管理・保護を目的に発行予定としている仮想通貨です。今後もSAFTを使ったICOは増えていくでしょう。