通信販売や金融業など幅広く事業を展開している楽天が本格的に仮想通貨業を行うことが明らかになりました。
今回は楽天の仮想通貨業界での現状や楽天が仮想通貨業界でどのようなことを計画しているのかまとめます。
楽天の仮想通貨業界への参戦
「みんなのビットコイン」商号変更
子会社である楽天カード株式会社を通じて2018年8月に楽天株式会社は、仮想通貨取引所である「みんなのビットコイン」を買収しました。
買収以降も「みんなのビットコイン」のまま運営を続けていましたが、2019年3月1日から遂に「みんなのビットコイン」から楽天ウォレットを商号変更されています。
2019年3月現在では「みんなのビットコイン」だった公式ホームページも楽天ウォレット、ABOUT USにある会社概要でも会社名が楽天ウォレット株式会社となっています。
ただし「みんなのビットコイン」が以前から使っていた公式サイトのURLは以前から使われているhttps://min-btc.com/のまま使われています。ツイッターやフェイスブックのアカウント名も、現在のところ「みんなのビットコイン」で変更されている様子はありません。
「みんなのビットコイン」サービス変更
「みんなのビットコイン」が現在行われているサービスは、2019年3月末で一旦終了します。4月からは新サービスとなり、改めて口座開設などの手続きが必要です。
そのため現段階で保有している法定通貨・仮想通貨は一度出金するよう求められています。出金に関わる手数料も3月28日まで無料となっています。
なお2019年4月からの「みんなのビットコイン」は、楽天カード株式会社ではなく楽天Edyを運営している楽天ペイメント株式会社の子会社となる予定です。
金融庁への要望
2019年2月、一般社団法人である新経済連盟は金融大臣充てに「暗号資産の新たな規制に関する要望」を提出しています。
この中にはICO・仮想通貨の管理に関するカストディ業務・仮想通貨から派生したトークン取引などのデリバティブ業務・仮想通貨に関する税制の改正などの要望が書かれています。
特に税制に関しては、申告分離課税・税率20%・仮想通貨間の交換は非課税・損失の繰越控除可能など、参議院議員である藤巻健史氏が発足させている「仮想通貨税制を変える会」の考える税制と近いものになっています。
なお楽天の代表取締役会長兼社長である三木谷浩史氏は、新経済連盟の代表理事を務めています。
日本仮想通貨交換業協会にも加盟
「みんなのビットコイン」は、2019年1月に日本仮想通貨交換業協会にも第二種会員として加盟しています。
日本仮想通貨交換業協会には、ビットフライヤーやザイフなど金融庁に認可されている仮想通貨取引所全てが第一種会員として登録されています。みなし業者や今後仮想通貨業務に関わることを検討している企業も第二種会員として登録可能です。
「みんなのビットコイン」が加盟した時には他に、コインチェック・LastRoots・LVC・コイネージの合計5社が第二種会員として登録されました。
ただし2019年3月に更新された会員一覧をみると、金融庁に認可されたコインチェックは第二種会員から第一種会員へと変更されています。また会員一覧でも「みんなのビットコイン」は、楽天ウォレットへと変更されています。
2019年3月現在のみなし業者
2019年3月現在、「みんなのビットコイン」はまだ金融庁の認可は得ていません。
しかし「みんなのビットコイン」は金融庁の認可が必要になった2017年4月以前から活動を行っていたため、みなし業者として運営が許可されている取引所です。
なお 2019年3月現在みなし業者となっている仮想通貨取引所は、「みんなのビットコイン」とLastRootsの2企業のみとなっています。
以前は他にも多くの企業がみなし業者として運営されていましたが、無事金融庁からの認可を受けた、あるいは運営を断念したなどの理由で減っています。
楽天コイン構想
楽天の子会社であるバイバーは、独自通貨である楽天コインの発行を2018年7月に発表しています。バイバーはイスラエルで生まれた通話・メッセージアプリで、バイバーアプリユーザー同士であれば無料で通話可能です。
楽天バイバーのウェブサイトによると、利用者は世界で10億人にもなります。スマートフォン同士の会話だけではなく、固定電話への通話や海外との通話も可能となっています。
楽天コインは2019年に発行予定、ただし日本ではなくロシアの発行となります。
まとめ
楽天は通信販売の楽天市場から始まっていますが、現在は金融・証券・保険・旅行・美容など幅広く業務を展開しています。
またスポーツにも力を入れており、プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスやサッカーJリーグのヴィッセル神戸のスポンサーでもあります。近年ではスペインのサッカーリーグに所属しているFCバルセロナのスポンサーともなりました。
楽天コインが本格稼動するようになれば、楽天の関わるあらゆる事業で使われるようになるでしょう。