ブロックチェーン

【Project Stella(プロジェクト・ステラ)】日本銀行のブロックチェーン

どうも!こんにちは!

クリプトマッスルです!

日本銀行(以下:日銀)のブロックチェーン技術に関する取組みについて分かり易く書いていきます。

 

日銀とは?

日本にも色々と銀行がある中で日銀という言葉を皆さんもよくニュースで聞くと思います。ですが意外と何をしているのかというの知らない方多いかと思いますのでまずはそもそも日銀って?から簡単に説明しましょう。

日銀とは日本の中央銀行になります。

以下の2点が主な役割です。

  1. 物価の安定
  2. 金融システムの安定

それではこれに対して実際に行っている3つのことを以下で紹介します。

①紙幣の発行

先ほど物価の安定と言いましたが、これは私たちが普段使っている紙幣(お札のみ)を発行し、流通量をコントロールすることで物価を安定させているのです。

ちなみに、硬貨については国が発行しています。

②政府の銀行

日銀は、政府の委託を受け、国のお金を管理しています。また、国債の発行や外国為替の決済処理も行っています。

つまり、国民から集めた税金や国債を預かって公共事業や公務員の給与に使用しています。

③銀行の銀行

さらに日銀は、金融機関の預金の一部を無利子の当座預金で預かっています。その預金は他の金融機関等へのお金の貸付けなどに利用されています。

もう少し詳しく説明します。

皆さんが金融機関に預金口座を持っているのと同じように、金融機関は日銀に預金口座を持っています。金融機関は、お互いに資金の貸し借りを行ったり、日銀が金融政策の一環として金融機関との間で行う国債の売買などを行うために、その口座を利用しています。

また、皆さんが自分の預金口座から他人の口座へ振込を行った場合にも、金融機関同士の資金決済がこの口座で行われます

日銀は、金融機関との間をオンラインで結ぶ、「日本銀行金融ネットワークシステム」(以下:日銀ネット)と呼ばれるシステムにより、これらの取引を管理しています。

 

Project Stella(プロジェクト・ステラ)

そんな日本の中央銀行である日銀が2016年末より欧州中央銀行と共に「Project Stella」というプロジェクトを始動しました。

このプロジェクトの目的は、金融市場インフラへのブロックチェーン技術の応用可能性を調査することです。

なお、ここで言う「ブロックチェーン」とは、ビットコインで使われているような「パブリック・ブロックチェーン」とは異なり、HyperLedger Fabricというミドルウェアを使った「プライベート・ブロックチェーン」になります。ノード数は、せいぜい数十台で、日銀または欧州中央銀行という特定の管理者が管理します。

現在までにフェーズ1からフェーズ2までの調査結果が出ているのでそれらに関して以下でまとめています。

フェーズ1(2017/9/6)

【目的】

フェーズ1では日銀の「日銀ネット」そして欧州中央銀行の「TARGET2」というそれぞれの資金決済システムをブロックチェーン技術を用いた環境の下で、効率的かつ安全に再現 できるかどうかという掘り下げた実証実験を行いました。

【結果】

現行の決済システムとほぼ同等のパフォーマンスを行うことができました。しかし、ノード数を増大させたり、ネットワークに参加するノード間の距離を拡大させたりした場合、処理時間の増大がみられ、一部のノードが取引処理に参加しないといった傾向もみられた。このようにブロックチェーンではネットワークの構造がパフォーマンスに影響を及ぼすことも同時に見られました。

【結論】

将来性に向けて有益な結果が得られました。しかし、日銀ネットや TARGET2 のような大規模なシステムへの応用には適さない現時点では考えられています。

フェーズ2(2018/3/27)

【目的】

今回は証券決済システムに目を転じ、ブロックチェーンの環境下で資金と証券の受渡をどのようにデザインし、実現していくかについて検討を行いました。DvP(delivery versus payment)決済がブロックチェーンを用いてどのように実現できるかについて検討を深めるために、3つの異なるブロックチェーン(Corda、Elements、Hyperledger Fabric)を使って、プロトタイプを開発しました。

【結果】

DvPは、ブロックチェーン基盤によって具体的なデザインは異なるものの、ブロックチェーンのの環境下でも、実現することができました。複数台帳方式においては、異なるネットワーク同士を接続しなくても、DvPを実現できることが確認されました。しかし、DvPのデザインの仕方次第では、取引処理速度に影響を及ぼしたり、一時的に流動性をブロックしたりする必要性が生じる可能性があるなどその他にも課題が残りました。

【結論】

概念的、技術的にみて様々なデザインの下で、ブロックチェーン環境下での証券と資金の受渡が実現できることを明らかにしました。ブロックチェーンを応用したDvPの実現はまだ始まったばかりで、これらのアプローチへの安全性や効率性については、今後さらなる分析が必要であるとしています。

 

マッスル見解

これまでの調査結果では、まだ課題は残るものの全体的にかなりポジティブな結果になったのかなと思います。

個人的には、法的側面に対する整理がこれまでの調査ではまだ行われていないというのと、日銀が2016年に「FinTechセンター」を設立しており、既にFinTech技術の銀行業務への採用のために日々調査されていますが、果たして日銀の独自の仮想通貨なども今後発行されるのかどうなのか気になるところです。

今後も注目です!

 

 

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