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ConsenSys:「Palm NFT Studio」の立ち上げを発表

米イーサリアムブロックチェーン企業ConsenSysは30日、イーサリアムブロックチェーン上の新たなNFTプラットフォーム「Palm NFT Studio」の立ち上げを発表しました。

同社は公式サイトでPalmについて「アーティストと市場、そして権利所有者と協力し、プロジェクトやプラットフォームを呼び込むイノベーションラボ」と形容しています。

その理念の通り、このベンチャー設立にはブロックチェーン分野からイーサリアム共同創設者のJoseph Lubin氏や芸術と映画製作分野からは、映画プロデューサーDavid Hayman氏、世界的アートサービス企業HENIグループ創業者Joe Hage氏が参加していることが明らかになっています。運営面ではConsenSys社プロトコル事業部長のDan Heyman氏がCEOとしてPalmの指揮を取ることが明らかになりました。

さらに暗号資産分野からは、UniswapNifty’sをはじめとする6社がパートナーとして技術インフラ面からの支援を行う体制を整えています。

エネルギーコスト削減を目指す

Palmは独自トークンPALMを持っており、PoAをコンセンサスメカニズムに採用した、イーサリアムの新たなサイドチェーンとして構築されています。

そのためイーサリアムがPoSシステムに完全移行するのを待たずして、現行のPoWコンセンサスよりも「99%高いエネルギー効率」を達成することが可能になります。また決済時間の短縮と手数料削減の実現も目財しているということです。これについてPalmはイーサリアムブロックチェーンと「完全な相互運用性」を持ち、メインネットへのトークン送金もサポートされるとコメントしています。

大御所ダミアン・ハースト起用

イギリスの世界的現代アーティストのダミアン・ハースト氏がPalm NFT Studioの幕開けを飾りました。同氏は様々な動物の死骸をホルマリン漬けにした衝撃的なシリーズで一躍有名になったアーティストです。美術界の慣例に反し、自身が作品を直接オークションにかけたところ、当時最高の総落札価格を達成するなどビジネス手法に長けた点も注目されています。

同氏は今年2月に桜をテーマにした作品の販売を行った際、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)での支払いを受け入れ、7,000枚以上のプリントを売り上げた経緯があルコとから、暗号資産にも馴染みが深いことが予想されています。

またPalm創設者の1人であるHage氏のHENI社が作品販売を行ったところ、総売上は2,200万ドルに達したことから期待を上回る成功を収めたと賞賛の声が上がっています。

同氏が初めて手掛けるNFTプロジェクトは「The Currency Project」と命名され、5年間をかけて制作された1万枚のアート作品である「お札」で構成されている点が大きな特徴です。さらにこの1万点の作品はそれぞれ固有のNFTとして生成されることがすでに発表されています。

この作品について「Palmは私にとって圧倒的に最高のプラットフォームである。新しいアートに焦点を当てており、最も環境に優しくより早く、安価に利用することができる。Palmを使えばアーティストは未来を発明できる。」とハースト氏はコメントしました。

なお、具体的なNFL販売の日程などはまだ明らかにされていません。

一足先に成功を収めたDapper Labs

NFT市場で大きな成功を収めているのはNFTコレクションゲーム「NBA Top Shot」を手掛けたDapper Labsが挙げられるでしょう。NBA Top Shotはイーサリアムのスケーラビリティ問題解消のためにDapper Labsが開発した独自ブロックチェーン「Flow」を利用したコレクションゲームとなっています。

FlowのネイティブトークンであるFLOWの時価総額は約1,260億円となっており、米暗号資産取引所クラーケンでステーキングされたFlowは約780億円を突破しているということです。

プロスポーツ選手の動画のNFT化で一挙に注目が集まったFlowブロックチェーンとは違い、Palmは美術界のスターアーティストを起用するという戦略方法を取っています。Palmの創設者の1人であるDavid Hayman氏は「ハリー・ポッター」を映画化したプロデューサーであることから、今後同氏が手掛けた人気作品のコンテンツがNFT化される可能性もあるだろうとの予測がされています。