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クリプトマッスルです!
2018年3月に大手仮想通貨取引所のBinance(バイナンス)が、翌月の4月にはOKEx(オーケーイーエックス)がマルタ共和国に拠点を移したことで一躍有名になった南ヨーロッパに位置するマルタ共和国。
なぜこのマルタ共和国に多くの仮想通貨取引所が集まっているのかを分かりやすく説明します。
マルタ共和国とは
マルタ共和国は、ヨーロッパでイタリアのシチリア島の南部に位置する共和制国家で、公用語はマルタ語と英語、通貨はユーロになります。
国土は316km2で東京23区の半分くらい、人口も43万人ほどと淡路島の半分くらいでかなり小さな島国になります。
また、地中海のリゾート地として毎年数多くの観光客が訪れていることでも有名です。
マルタ共和国に取引所が集まる3つ理由
モルガン・スタンレーが行った調査で、マルタ共和国が、仮想通貨の取引高で世界1位のシェアを占めていることが明らかになりました。
(引用元)http://www.businessinsider.com
現在、多くの取引所や企業がマルタ共和国に拠点を移し、それが取引高で世界1位の理由になっています。
しかし、なぜ多くの取引所や企業が、いまマルタ共和国に注目しているのか以下の3つの理由を見ていきましょう。
①タックスヘイブン
タックスヘイブンとは…法人税や源泉課税などが著しく低い税率に設定されている地域のことで、租税回避地とも呼ばれています。
このマルタ共和国は、世界きってのタックスヘイブンといわれています。
まず法人税に関して、表向きは35%と日本とほぼ同じ水準ですが、還付金制度などを利用することで実質的には5%程度までになるとされています。
またマルタには、仮想通貨を交換手段として規制する法律がなく、ごくわずかの場合のみ所得税が5%であるのに加え、キャピタルゲインが非課税、相続税・贈与税がなしとされております。
このようにマルタ共和国は、仮想通貨取引所を運営するにも、個人として取引するにもかなり有利な環境にあります。
②仮想通貨に対して国が積極的
マルタの首相であるジョゼフ・マスカット氏は、仮想通貨を「必ず到来する未来のお金」と以下のように称賛しています。
バイナンス、マルタ共和国へようこそ。我々は、ブロックチェーンを活用するビジネスを統制する先駆者、また世界的なフィンテック企業に選ばれるハイクオリティの国家を目指しています。
このように一国のトップが公に仮想通貨を歓迎することは、マルタ共和国が仮想通貨に関して友好的であることがわかります。
③仮想通貨に対するポジティブな規制
ジョセフ・マスカット首相は、ブロックチェーン事業を誘致するための3つの法案が可決されたことをツイッターで発表しました。
マルタは正式にブロックチェーンとDLT技術を規制する包括的な法的の枠組みを持つ、世界で最初の国です。私たちはこの新分野の市場リーダーが集う世界的なハブになるでしょう。
このようにマルタ共和国が仮想通貨業界に注目されている理由に、仮想通貨を支援する制度を整えているという点があります。
また、マルタはEU加盟国なので、仮想通貨をビジネスとする企業にとってはマルタ進出が好都合でもあります。
このように、政府が積極的に仮想通貨関連企業を受け入れる体制を整ているため、多くの注目を集めています。
マルタ共和国の仮想通貨に対する3つの法案
上述した仮想通貨事業を誘致するための3つの法案について説明します。
マルタ政府は7月4日に、仮想通貨事業の誘致を加速させるため次の3つの法律を議会で可決しました。
- マルタ・デジタル・イノベーション庁法案(The Malta Digital Innovation Authority Act)
- 仮想通貨金融資産法(The Virtual Financial Assets Act)
- 技術調整&サービス法案(Technology Arrangements and Services Bill)
これらの法案はICOを行うスタートアップ企業に対して、マルタ島を拠点として活動することを後押しするものになります。
それぞれ見ていきましょう。
マルタ・デジタル・イノベーション庁法案(The Malta Digital Innovation Authority Act)
この法案は、法的保証といった信頼性の確保を目的としたもので、マルタ・デジタル・イノベーション庁という機関を設立し、ブロックチェーン産業の規制、推進を行っています。
仮想通貨金融資産法(The Virtual Financial Assets Act)
この法案は、ICOに関する法的な枠組みとなるもので、主にホワイトペーパーの提示といったルールを設けることで、企業はICOを行えるようになります。
技術協定&サービス法案(Technology Arrangements and Services Bill)
この法案は、仮想通貨サービスを提供するものに、登録や証明を求め、技術やサービス、システムの管理や監査のルールもここで定められるものになり、取引所の規制に関する法案ということになります。
これらの法案は非常にポジティブな規制になっており、むしろ事業を円滑に進めれるように法律を整備するといったものになります。
さらに、企業はこういった法律を遵守することで自らの事業への信頼性を高めることができます。
マルタ共和国に拠点を移した大手取引所
Binance(バイナンス)
【香港→マルタ】
この背景には、香港が2018年2月に「ICOは監視対象になる」といった警告を出し、翌3月にICO禁止を命令したことと日本の金融庁が2018年3月23日にバイナンスに対して警告を出したことが背景にあると考えられます。
OKEx(オーケーイーエックス)
【香港→マルタ】
この背景には、マルタ共和国の仮想通貨企業を支えるためのポジティブな規制および技術基盤を積極的に構築していることが考えられ、さらにOKExは、2018年10月にマルタ政府がサポートする「DLT(分散型台帳)デルタ会議」に参加することを表明しており、今後マルタでの活動が活発になることになりそうです。
BitBay(ビットベイ)
【ポーランド→マルタ】
この背景には、ポーランドの金融庁の仮想通貨に対する厳しい姿勢のためにBitBayとの協力を予定していたポーランドの銀行が提携を終了するとの決定に対して、BitBayが国内での質の高いサービスの継続は不可能と判断したのが挙げられます。
マッスルまとめ
ここまで、取引所だけではなく、多くの仮想通貨企業も移転し始めている、今、注目を集めているマルタ共和国についてどんな国か、なぜ取引所に集まるか、新たに施行された法律などを交えながら分かりやすく説明しました。
仮想通貨が世間に浸透していくにつれて、取引所や仮想通貨関連企業の規模も大きくなっていき、その流れの中で少しでも利益を確保するために税率が低く、かつ仮想通貨に対して前向きな規制をしている土地へ拠点を移すというのは自然のことなのかもしれません。
今後もマルタ共和国の仮想通貨事情に注目です。