ビットコイン(BTC)のマイニングおよびマイニング専用機器の販売で世界最大規模のシェアを持つ大手仮想通貨マイニング企業であるBitmain(ビットメイン)社が、2018年の振り返りと2019年の展望関する声明を発表しました。
マイニング(採掘)とはビットコインの取引承認に必要となる計算作業のことで、この計算作業に従事するマイナー(採掘者)は報酬として新規発行されたビットコイン(BTC)を得られます。
今回の公式声明では、昨年の振り返りとして、以下の9つの出来事をリストアップしています。
- ビットコインキャッシュ(BCH)ハードフォーク
- 7nm ASICの発売とASICBoostの効率化
- AIの取り組み
- Circleへの投資
- オープンソース開発者、プロジェクトへの出資
- 透明化への取り組み
- 仮想通貨インデックスの立ち上げ
- 米国への進出
- 米バスケットチーム、ヒューストン・ロケッツのスポンサー
ビットコインキャッシュ(BCH)ハードフォーク
ビットコインキャッシュ(BCH)ハードフォークとチェーン分割について、Bitmain(ビットメイン)は「BCHとBSVの分裂は昨年の世界の仮想通貨分野における重要なトピック」だったと以下のように語っています。
主張された「ハッシュウォー」が争われる事無く、様々な情熱が未来と仮想通貨の向上を懸けて争うのを見るのはエキサイティングでした。約18か月前にビットコインの将来を懸けて、自分自身が似たような(しかし遥かに長い)紛争を経験したので、当社はBSVコミュニティが分割して自身の夢を自由に追求する決断を理解します。採用はエコシステムの力、柔軟性、そして洗練によってもたらされるでしょう。そして当社は2019年な仮想通貨に採用が備わっている事を期待しています。
Bitmain(ビットメイン)はまた、「2018年の終わり頃に将来に備えて事業を合理化する時期が来た」として次のようにも述べました。
私たちの幅広いポートフォリオと多様な業務は、選択の問題を抱えるにまで拡大し、この年は選択の時期となりました。
同社は最適化と合理化を図り、ビジョンの背後にある最も重要なミッションと活動にフォーカスし始めたと述べ、「今後企業として、目標に向かってさらに脂身の無い、より焦点を絞ったものになるだろう」と示唆しました。
さらに、Bitmain(ビットメイン)はASICが、今後も仮想通貨のマイニング産業における基本的な役割を果たし続けると強調しました。
あくまでも明るいBitmain(ビットメイン)
昨年後半からの仮想通貨の市場価格下落に伴い、足元では採算の取れない個人や中小規模のマイナーが撤退を余儀なくされており、また、アメリカの大手マイニング企業ギガワットが2018年11月に破産し業務停止した他、国内でもGMOインターネットとDMM.comがマイニング事業から撤退することを明らかにするなど、大手にも厳しい状態が続いています。
しかし、ビットメインのブログの調子は明るく、2018年の振り返りとして、同社がIPO(新規公開株)を目指して香港証券取引所に申請したことや、大手仮想通貨投資アプリなどを手掛ける米サークル社への投資、またマイニング効率を大きく向上させてエネルギーコストを大幅に節約するための半導体チップや専用ソフトウェアの販売を開始したことなどがまとめています。
2019年の展望
仮想通貨、ブロックチェーン市場では、数多くのアップダウンがあり、仮想通貨価格も下がっているが、これを仮想通貨価格の安定化、成熟化のサインとし、この業界の現状を決してネガティブに捉えていないことを強調し、引き続き、既存の金融機関に頼らない、ボーダレスで、簡単で、素早く送金の可能な仮想通貨の下での、「インターネット・マネー」の時代に向けて、前進していくことを発表ました。
また、今年はブロックチェーン・アプリケーションの年になるとし、開発が進むことによって、さらなる時価総額の上昇につながるだろうとして、これがトランザクションの処理速度の向上など、仮想通貨・ブロックチェーン業界に横たわる問題解決に寄与するとしました。
2019年、ビットメインはASICなど、マイニングの分野から、この業界の発展に貢献していくとの決意を示しています。