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デジタル社会推進本部:平将明議員を「NFT特別担当」に指名

1月19日、自民党のデジタル社会推進本部は元内閣府副大臣などを経験したことのある平将明議員に「NFT特別担当」を任せるというコメントを発表しました。これからの国内における規制設定などをここでは検討していくということです。

この件について実際にCoinPost編集部が平将明議員事務所に問い合わせた際、デジタル社会推進本部は「来週、NFTについて議論するプロジェクトチームのキックオフを行う」と回答しました。

早くから検討されているNFT規制における法的整理の明確化を支持する声が一方で、「過去にあったことからも政府介入により過剰な規制が先行した場合、新興産業のイノベーションを止めることにつながるだけでなく、他国に遅れを取ってしまうのではないか。」などの懸念の声も多く上がっているのが現状です。

1月20日、その点について平議員は「基本路線は成長戦略」であることを強調しました。現課題の1つである海外への人材・企業流出について触れた他、投資資金を呼び込むための税制改正提言も視野に同時進行を図りたいという方針を明らかしました。

規制と税制面

他国と比べて利用者保護を理由とした政府の過剰規制や不遇の税制面が日本国内の暗号資産及びブロックチェーン事業には課題として存在しています。また海外先進国ではイノベーション促進との両立を図る体制が見られているのとは対照的で、人材資金の海外流出は死活問題であると言っても過言ではありません。

さらに今月17日、Huobi GlobalやOKExといった世界大手暗号資産取引所への上場を果たした日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network」の創業者でStake Technologies株式会社の渡辺創太CEOは「叶うならば、日本でローンチしたかった。」と心の内を吐露していました。

加えて昨年11月には日本経済新聞が税制面の問題から海外移転を余儀なくされた有望スタートアップ創業者たちの悲痛な声を拾った記事を掲載しています。

自民党と今後の暗号資産業界

前デジタル改革担当大臣の平井卓也議員はデジタル庁設立以前から、暗号資産の資金調達手段であるICOなどに着目してきた経験を持っていました。

2018年にJBA(日本ブロックチェーン協会)主催のミートアップに参加しており「ICOは自治体の資金調達に適している。」との発言もしており、地方創生の手段としても有効なのではないかと言及していました。

また自民党内では2021年5月に国会議員有志らが「ブロックチェーン推進議員連盟」を発足しています。ここではNFTやステーブルコインなどを含めた6つの柱を掲げており、ブロックチェーンを国家戦略に含むべきとする政府提言書を提出しています。

しかし新興産業となるNFTの規制面や税対応については現時点で法的立ち位置は未だ明確化されていないため、日本市場に関心を持つ国内外企業やプロジェクトの足かせとなるなど課題点が多く残されています。このことから、より今後の政府「NFT特別担当」の動向が注目されるでしょう。