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X2Y2:クリエイター手数料を発表

11月17日、暗号資産イーサリアム基盤のNFT電子市場X2Y2はすべてのNFT取引で設定されたクリエイター手数料を徴収することを発表しました。

NFTクリエイター手数料とは、売買価格の一部が自動的にクリエイターに還元される仕組みのことです。しかしスマートコントラクトではNFTの移転が購入か譲渡かを識別できないため、多くのマーケットプレイスレベルで自発的に設定されてきた形となっていました。

クリエイター手数料にプロトコルレベルの強制力は備わっておらず、市場競争の中でロイヤリティーフリーを取り入れるNFTプラットフォームの新興勢力が台頭しています。またソラナ基盤のNFT市場大手Magic Edenもクリエイター手数料を全額支払うか否かを買い手側で選べる機能を実装するなど、業界慣習の転換期を迎えつつあった状態であることが判明しています。

X2Y2の決断は業界リーダーであるNFT電子市場OpenSeaの10日の発表を受けてのものでもあるでしょう。OpenSeaは既にプラットフォームに掲載されているNFTコレクションについてクリエイター手数料を徴収し続ける方針を表明したためです。さらに、新規コレクション向けにクリエイター手数料を強制するプログラムコード「Operator-Filter」をリリースしたことも影響しているのではと考えられています。

これまでX2Y2はMagicEdenと同様のオプション式のロイヤリティーモデル「Flexible Royalty」を導入してきました。同社はNFTクリエイターへの支持を示したOpenSeaの判断を賞賛しつつ、 業界シェアを失いかねないOpenSeaの判断がNFTクリエイター側の支持を集め、多くの新規コレクションがOperator-Filterで立ち上がったとのコメントを発表しています。

そのためOperator-Filterを使用するNFTコレクションについては、X2Y2でFlexible Royaltyの適用除外とするとの意思を表明し、今後既存のすべてのNFTプロジェクトにおいても設定されたロイヤリティーを徴収すると加えています。

X2Y2の概要

X2Y2はOpenSeaの最大のライバルになることをポリシーにOpenSeaユーザーに独自トークンX2Y2を無料で配布する「ヴァンパイア攻撃」などで、ユーザーの獲得に取り組んできた企業です。

OpenSeaへのヴァンパイア攻撃で誕生した別のNFT電子市場LooksRareを含め、OpenSeaとX2Y2の取引量は以下の通りです。11月18日時点ではOpenSea 4,960ETHに対してX2Y2は3,400 ETHとなっています。