COLUMN(コラム)

AMAとは

仮想通貨取引所や仮想通貨の運営会社の中には、AMAに取り組んでいるところもあります。AMAとはネット上で行われるユーザーとのライブ配信の質問会のことです。ユーザーとの交流を計るのと同時に、取引所や運営している仮想通貨のことをより知ってもらうことが目的となっています。

今回はAMAの特徴やメリット・デメリットについて説明します。

AMAとは

AMAの特徴

AMAとはask me anythingを省略したものです。

anythingという単語もあるように、気軽に聞いて欲しいという意味合いがあります。

質問会と訳されることが多いですが、それほど堅い雰囲気のものではなく、交流の意味合いが大きいです。

またAMAには質問に答えると同時に、運営者の人柄を伝えるという意味合いもあります。20197月現在仮想通貨では、信頼の持つ意味合いが非常に大きいです。

ステーブルコインならば法定通貨や金・原油などによって価値を関連付けられています。しかしステーブルコイン以外の仮想通貨は、客観的に価値を証明する方法が乏しい状態です。

大手企業や大手金融機関からの支援及び提携などは評価の対象になりますが、取引所や仮想通貨自体の価値ではありません。大手企業・大手金融機関が信頼したのであれば信頼できるだろうという信頼の橋渡しです。

AMAであれば、運営者の持つ雰囲気や人となりに触れることが出来ます。これが信頼へと繋がるわけです。

AMA

AMAのメリット&デメリット

AMAのメリット

AMAのメリットは、取引所や各銘柄の運営会社などのトップあるいは幹部クラスの人と直接交流が出来ることがあります。これが最大のメリットでしょう。

仮想通貨ユーザーにとって、これから取引所や運営会社がどのような方針で進めていくのか、どのような対応をとるのかは最大の関心事のひとつです。

しかしこういった事項を直接教えてもらえる機会は非常に限られています。多くの場合は報道陣相手のプレスリリース、ブログ、あるいはフェイスブックやツイッターなどのSNSを経由しての伝達です。

インターネットが発達している現在、そのような公式サイトやSNSを使った伝達方法でも決して遅くはありません。しかし仮想通貨ではサイバー攻撃の危険性を抱えています。このため公式サイトやSNSの公式アカウントを模した偽サイト・偽アカウントによる誤情報の流布が問題となっています。

20196月、リップルなどを保管できるウォレットのゲートハブ(gatehub)がハッキングされました。被害額は約2320XRP、日本円で10億円相当に及びます。

この被害額自体も大きいのですが、サイバー攻撃はこの後も続きます。ゲートハブユーザーに対して、新しいリップルウォレットを作成したなどの名目でメールが送られたのです。

ゲートハブはこれらのメールが詐欺であることの伝達、またウォレットのパスワード変更指示などで何度もメールの発信やブログの更新を行うことを余儀なくされました。もしAMAを使って早々に伝達できていれば、もっと早く収束できたかもしれません。

AMAのメリット2つ目はサイバー攻撃に強いことです。公式サイトやブログなどは模倣することが出来ますが、AMAはライブであるため模倣が非常に難しくなります。特に動画配信やインタビュー動画などで顔を公開している経営者をライブで模倣することは不可能に近いです。

正確な情報を直接教えてもらえるということはユーザーに対して大きな自信と信頼を与えることになります。

AMAのデメリット

AMA最大のデメリットは予定の調整です。サイバー攻撃被害を受けた時などの緊急時はともかく、通常時でのAMAでは事前に通達して開催者側・ユーザー側ともに周知を広めておかなければAMAの効果は薄れます。

また開催者側としては、AMA以上に緊急を要する事案が生まれる可能性もあります。このような時にはAMAの予定の変更を余儀なくされることになります。

2つ目のデメリットは言語です。日本を拠点としている仮想通貨取引所や仮想通貨運営会社ならAMAも日本語で行ってくれるでしょう。しかし海外の仮想通貨取引所や仮想通貨運営会社だと、英語の可能性が高いです。

AMAはライブ配信で行われるため、字幕や翻訳などもありません。加えて分かりやすい英語とは限らず、配信者側の独特の言い回し・表現方法・口癖・冗談などに付き合う必要があります。

3つ目のデメリットは時間制限です。気軽に聞いて欲しいという精神で開催されるAMAですが、全ての質問に答えてくれるとは限りません。多数の質問が寄せられた場合は、配信者側が答える質問を選ぶことになります。質問する場合も出来るだけ的確に質問意図が分かりやすいように尋ねましょう。

 

まとめ

AMAには信頼・情報の伝達速度などで運営者側・ユーザー側双方に大きなメリットがあります。

しかしライブ配信であるため、時間の調整や言語の壁など運営者側・ユーザー側双方で歩み寄る事項も多いです。こういった問題点を緩和できた時にAMAは、本当の意味で新しい形のユーザーとの接し方となるでしょう。