注目

中国:暗号通貨への巨額詐欺が再び発生

WoToken詐欺

昨年より詐欺の可能性が高いと指摘されてきたWoTokenでしたが、プロジェクトに関わった主謀者ら6名が当局によって逮捕されたことが裁判所の資料で判明しました。今年1月に公式サイトの画面に何も表示されなくなったことから疑問の声が上がっていました。

中国事情通のDovey Wan氏も、この件についてTwitterに「PlusTokenに引き続き、巨大な規模の詐欺スキームWoTokenが中国警察の取締りを受けました。裁判の資料によると、WeTokenは2018年7月から2019年10月までに、10億ドルもの暗号通貨を不正に取引していた。」と投稿しています。

中国の現地メディアによると、最終的な登録ユーザーの数は71万5,249人で、逮捕時の時価で約10億ドル近い金額になったということです。

5月14日、江蘇省塩城市(こうそしょう、えんじょうし)で最初の法廷が開かれ、6人の被告は無罪を主張したものの、検察側はそれぞれこの詐欺事件に関わった責任に応じて6ヵ月から11年までの懲役刑を勧告しています。

6人の被告のうち1人は、PlusToken詐欺にも関わっていたことがすでに明らかになっています。

WeTokenはウォレットの一種で、1,000ドル以上の暗号通貨を預けておけば毎月6%から20%もの配当があると宣伝していました。しかし実際には存在しない独自システムにより、アービトラージで利益を得ると謳っていたということです。ユーザーは自分が紹介した加入者に配当される利益の数割を得られると謳う、典型的なネズミ講でもありました。

巨大な被害規模

今回の被害規模は、中国で確認されたPlusTokenに続く規模となりました。

PlusTokenも今回と同様に「高い投資収益」を謳った中国のウォレットサービスで、ネズミ講の詐欺であることが発覚しています。すでに被害総額は約29億ドルと推定されていました。

WoTokenは現時点で、プラットフォームを設置・維持していた者、資金管理していた者などの主犯格も含め、被告6人が警察に逮捕され裁判が始まっているが、現時点で集めた暗号通貨を売却したかは明らかになっていません。

資金を集めた19年10月から半年間の期間が経過していることから、すでに集めた暗号通貨を売却している可能性は十分に考えられるものの、裁判で開示される資料等で、市場がPlusTokenの事件同様、売り圧力を警戒する状況に発展する可能性も大いに考えられるということです。

昨年11月にビットコイン価格が急落した際、暗号通貨データ分析を行うErgoはPlusTokenの首謀者によるBTC売却の影響であると分析しています。PlusToken側は逮捕者が出た時期以降、1日あたり1,300BTCを売っていた報告しているということです。