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NFT:課税方法に注目集まる

NFTの人気が高まる中、その課税方式についても関心が集まっています。NFTは近年新しく登場した暗号資産であるが故に、各国で制度が整っていくのはまだこれからだと考えられていたものの、Forbesが米国の事例を大きく紹介しました。また日本でも一般社団法人日本暗号資産税務協会が見解を発表しており、各国でNFTに関する動きが加速しています。

NFTは、各トークンが他と代替できない唯一無二の価値を持つことが大きな特徴です。これまでデジタル美術品・ゲーム内アイテム・スポーツ選手・アイドルなど様々なファン向け収集品などとして登場してきました。

さらに最近では世界的オークションハウスの「クリスティーズ」で人気アーティストBeepleのNFTアートが約75億円で落札されたことも記憶に新しいのではないでしょうか。

クリエイター・投資家への課税

Forbesの執筆者は暗号資産のポートフォリオ管理と税務上の法的遵守に関するサービスを提供する企業CoinTrackerの税務戦略責任者Shehan Chandrasekera氏が担当しています。

同氏はこれについて「NFTに対する課税は納税者がNFTに関わる方法によって異なる。」と説明しています。市場で自らNFTを作成して販売した場合と投資家としてNFTを売買した方法の2通りの方法が存在しています。

まずNFTクリエイターの場合はNFTを販売する際に課税されることが明らかになっています。例えばNFTアートを作成・販売し、イーサリアムで2,000ドル相当額を受け取った場合には、利益として2,000ドルを報告することになります。

もしもNFTを作成する事業に従事している場合は関連費用を差し引いて税額を減らすこともできるということです。

また投資家へはNFTへの課税は暗号資産取引と似たものになるということです。イーサリアムなど暗号資産を使用してNFTを購入した後、このNFTを売却して利益を得た場合には、キャピタルゲインとして課税が必須となります。

またNFTを取得する際の支払いに使った暗号資産が、それを取得した時点から値上がりしていればその差額分もキャピタルゲインとみなされることも明記されていました。

日本での課税方法

日本での課税方法については2019年2月に一般社団法人日本暗号資産税務協会が「あくまで税法上明確化されていない論点であることから、今後新たな取扱いが公表された際には取扱いが変わる可能性が大きい。」と留保しつつ見解を示しました。

「NFTが独立してそのものの価値を有するものであり、売買や交換によって所得が生じた場合には原則として雑所得として課税されると考えられる。その場合、原則として売買や交換の都度・取引を認識する必要がある。

ただし実務上の交換については、交換時の時価把握が困難であることも考えられるため、合理的な労力を払うことによって交換時の時価が把握できない際は、課税上弊害がない限り円貨や他の暗号資産との交換時に取引を認識することも容認されるものと思われる。」との見解を示しています。