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Visa社:人気NFTのCryptoPunksを高額買取

今月18日、決済大手Visa社が人気NFTのCryptoPunksの#7610を日本円の約1,650万円で購入していたことが新たに明らかになりました。この購入の背景についてはNFTに対する期待の高まりを象徴する代表的な作品を購入することで、NFT領域への参入を示す意味合いがあるのではないかと注目を集めています。

Larva LabsはCryptoPunksの発行元です。同社によると、厳密にはVisa社は暗号資産現物を取り扱うということはなく、暗号資産カストディ銀行Anchorageがトランザクションを代行することでNFTのカストディとして保管を担当するという位置付けであることもすでに判明しています。

また今月の23日、Visa社はNFT購入の発表に合わせて、NFTに関する公式ブログ記事とホワイトペーパーを公開しています。Visa社のクリプト部門の責任者であるCuy Sheffield氏が本ブログ記事において自社のNFTに対する事業展開と自身の所感を明らかにしていました。

同氏は「NFTが画像やビデオ、テキストなどのデジタル資産の所有権を表す方法である。」と定義しています。

さらに「インターネットの台頭以来、大半のファイルが無限にコピーやペーストされたことにより、他者から他者への共有が可能となったため、デジタルプロパティの所有権を主張する方法が今まではなかったものの、NFTはデジタルメディアの出所、真正性、所有権を証明するために使用することが現在は可能になっている。」と解説しました。

Visa社の経緯

本ブログ記事ではVisa社がCryptoPunksを購入した経緯についても言及する内容も確認されています。記事によると「文化と商業の架け橋となる歴史的なNFTプロジェクト」としてCryptoPunksが果たした役割を認識するためにCryptoPunks #7610の購入を決定したということです。

さらに同社としてはNFTについて学んでいく姿勢を示したい意図があるとし、NFTは今後、商業・SNS・エンターテインメントなど幅広い分野で重要な役割を担うと分析しているため、顧客や提携企業にも導入を勧めるためにNFT購入と管理、そして利用におけるインフラ基準と深い理解が必要であると独自の見解を明らかにしました。

またSheffield氏は今回のNFT購入を通じて、NFT分野の今後を担うNFTクリエイターやコレクターをはじめ、様々なアーティストへの支持を表明する狙いもあったということです。Visa社として様々な場面でNFTへの利用性とアクセスを高めていきたい考えを示すことで、今後もNFT関連の取り組みを行なっていくことに意欲を見せています。

そして最後に同氏は「Visa社は商取引や決済の歴史に精通した企業ではあるものの、未来にも目を向ける企業である。今回のCryptoPunk購入はこの分野での当社の取り組みの始まりに過ぎない。」と述べました。

Visa社の見解

Visa社としてNFT領域に関する見解では以下のように示されています。

これまではNBA Top Shotなどスポーツ・コレクタブルとしての勢いがある。さらに長期的にはイベントなどのチケットやゲーミング音楽、アートなど様々な分野での活用が可能である。

このような見解からミュージシャンが音楽アルバムを発行するNFTを一例として挙げ、アートとして展示するほか、ファンとのエンゲージメントやライブのパス、限定コレクタブルの所有権証明など様々な用途が可能であるとVisa社自身もNFTを高く評価していることが伺えます。

今後はどのように活用が進むのか?

Sheffield氏はVisa社は安全なコマースを提供することがミッションであると述べ、これは新たなデジタルコマース領域でも対象になるとコメントしています。NFT領域にVisa社の見識を活かすことで、シームレスで安全なデジタル決済環境の提供を目指すことが目的であるということです。

短期的には企業やブランドのNFTに対する理解を深めることの重要点として挙げ、NFTの現状や今後の可能性を示すためにホワイトペーパーをリリースしたことも明かしました。

そして長期的にはNFTのバイヤー・セラー・クリエイターをサポートする目的で、新しいコンセプトやパートナーシップに取り組んでいるとして今後数ヶ月間でさらなる情報を公開していくということです。