11月15日、大手暗号資産取引所の運営を行うバイナンスはIDやパスワードなどの認証情報のインフラ構築を目的とするProject Galaxyへの出資を発表しました。
具体的な出資額については明かされていないものの、今年10月に発表した10億ドル規模のバイナンス・スマート・チェーン(BSC)ファンドから投資を行うことが予定されています。目的としては、Project GalaxyがBSCリソースを活用することでユーザーとの関係性におけるグローバル強化のサポートしたい考えであるということです。
上記でも述べたようにProject Galaxyにおけるミッションはオープンで分散化された認証情報のネットワークを構築することです。ここではブロックチェーンとNFTの技術を活用し、パーミッションレスなインフラの構築を可能にしています。
最近、NFTはアート作品などの収集品としても注目が集まっているだけでなく、代替不可能で固有の価値があることから、認証情報としても利用が可能になっています。だからこそProject GalaxyではNFTに収集品以上の価値を持たせることにより、ID活用を現実化する取り組みを行っているのです。
今年10月に発表されたBSCファンドは以下の4つの分野に投資を行うとしています。それぞれ関連するプロジェクトらに資金を配分する仕組みです。
- タレント開発
- 流動性インセンティブ
- ビルダープログラム
- 投資&インキュベーション
これによりProject Galaxyは約570億円が配分される「投資&インキュベーション」の対象として選ばれたと予想されています。
インキュベーションプログラム
バイナンスは同月15日、同社のベンチャーキャピタル部門であるBinance Labsがインキュベーションプログラムの「シーズン3」を開始したことについても同じく発表を行いました。
このプログラムにはイーサリアムのスケーラビリティソリューションを提供するPolygonもシーズン2に参加したことで話題を集めていました。今回のシリーズ3ではPolygonのSandeep Nailwal共同創設者が指導者側に加わるということです。
またこのシーズン3ではDeFiやNFTをはじめ、取引所などの領域から以下の9つのプロジェクトが支援の対象に選ばれています。
- Copycat Finance(DeFi)
- Tranching Protocol(DeFi)
- Block Ape Scissors(ゲーム、NFT、DeFi)
- GAT Network(NFT、ゲーム)
- Wombat.Exchange(取引所)
- Bird(分散型オラクル)
- Mint Club(トークン発行)
- Raydius(ミドルウェア)
- SkyArk Studio(ゲーム)
選ばれたプロジェクトに共通しているのは、暗号資産を世界に普及させるためのプロダクトを開発している点です。なおバイナンスはシーズン4に参加したいプロジェクトの申請受付も現在行っている状況です。