日本政府に提出された定額給付金の追加支給案がTwitter上でトレンド入りするなど反響を呼んでいます。
新型コロナの経済対策として自民党有志グループ(経世済民政策研究会)が国民への「一律5万円」の追加給付案や「GoToキャンペーン」の延長・拡充について書かれた、40兆円規模の追加経済対策などを求める要望書を菅政権に提出したことが明らかになりました。しかし、これに対して菅首相が三次補正案に前向きな姿勢を示したと報道されているものの、現時点では追加給付金が実現するかどうかは未決定とのことです。
追加給付金実現と暗号通貨市場
追加給付金が実現するとなると大半は貯蓄か当面の生活資金に充てられるものと考えられているものの、余剰金の一部は金融マーケットに流れ込むのではないかとの声も上がっています。
これについては安倍政権時に実施された国民1人当たり一律10万円の「特別定額給付金」についてのアンケートが関係しています。アンケートの結果を見ると、約13%が「投資資金」と回答していたことがこの考えの背景となっています。
三菱総合研究所における調査によると前回の「特別定額給付金」の経済効果は3.5兆円程度となっており、日本のGDPを0.7%ポイント程度押し上げるという影響をもたらしました。さらにこの給付金の6割程度が貯蓄に回り、3割程度が消費に回ったと予想されています。
米国でも財務省が3月下旬に1回目の景気刺激策を実施した際にはコインベースやバイナンスなどの大手暗号通貨取引所で給付額と同じ「1,200ドル」の入金急増が観測されていました。また、日米以外の国々でも景気刺激策の一部は株式市場や暗号通貨市場に流入していることが報告されており、相場の乱高下をもたらしたとの結果が明らかになっています。
なお今回の第3次補正案の要望書提出を受け、「特別定額給付金」に関する詐欺メール案件が出回っており総務省が警鐘を鳴らしている状況です。
暗号通貨の動向
10月15日の暗号資産市場でビットコイン価格は、前日比0.68%安の119.8万円とやや反落しています。
XRPについては前日比3.57%安となっており、Ripple社主催のSwellに向けた急騰がなかったことが影響し、例年ほどの急落の反動はみられないものの、材料出尽くし感から売り優勢となっています。
また、BTCの展望についてJosh Olszewicz氏は一目均衡表の転換線とトレンドの基準を示す基準線の好転を示唆しています。
一方、CryptoHamster氏はTDシーケンシャルで売りシグナルの「Green 9」と弱気のダイバージェンスがみられたことを指摘するとともに、短期的に調整が入る可能性が高いとの見解を示しました。
TDシーケンシャルは米国の著名アナリスト「トム・デーマク」が開発したインジケーターの1つであり、トレンドサイクルの転換点を掴むためのものとなっています。海外トレーダーCryptoISO氏は4時間足のインジケーターとして、シグナル「9」は信頼性が高いと評価しました。