COLUMN(コラム)

分散型取引所(DEX)とは

仮想通貨取引所には大きく2種類があります。ひとつは中央集権型の取引所です。20197月現在では、中央集権型の取引所の方が主流となっています。金融庁に認可されているビットフライヤー(bitflyer)・ザイフ(zaif)・コインチェック(coincheck)なども中央集権型の取引所です。

もうひとつの取引所の種類は分散型取引所と呼ばれています。英語でdecentralized exchangeということから、DEXと省略されることも少なくありません。

分散型取引所に対して中央集権型の取引所を、CEX(Centralized Exchange)と呼ぶこともあります。

今回は分散型取引所の特徴や中央集権型取引所との違いについて解説します。

分散型取引所(DEX)とは

分散型取引所の特徴

分散型取引所の特徴として手数料の安さ・安全性の高さがあります。これらの特徴は、システム介入の必要性が原因です。

中央集権型の取引所では、内部の人間がメンテナンスなど出来るようにシステム介入の余地を残しています。分散型取引所ではシステム介入を必要としていません。このシステム分だけ手数料を安く出来るわけです。

また内部の人間のシステム介入は、悪用するとサイバー攻撃に繋がります。介入できるシステムが無いだけ分散型取引所は安全性が高いということでもあります。

中央集権型取引所の内部操作

仮想通貨取引所の取引高は、コインマーケットキャップ(coinmarketcap)やコインゲッコ(coingecko)といった情報サイトにまとめられ順位付けされています。

しかしこれらの順位は、不正に水増しされているという調査結果も複数出ています。これらの意見の中では水増しを行う理由は、注目度の向上並びに登録者・利用者の向上です。

分散型取引所であれば内部操作が出来ないため、このような取引高の水増しも難しくなっています。

分散型取引所のデメリット

手数料の安さ・安全性の高さというメリットを持つ分散型取引所ですが、デメリットもいくつか抱えています。

そのひとつが秘密鍵やパスワードの管理です。

仮にパスワードを忘れても中央集権型の取引所であれば、本人確認などの所定の手続きを経てパスワード等の再発行再設定が可能です。

しかし分散型取引所ではこのような再発行や再発行は、システム的に難しいです。利用者の負担や責任という意味では、中央集権型取引所に比べて分散型取引所の方が重いと言えます。

2つ目のデメリットとして知名度の低さがあります。

まだまだ分散型の仮想通貨取引所は数が少なく、取引量で見ても中央集権型取引所に大差を付けられている状況です。

取引量が少ないということは、流動性が低いあるいは板が薄いという意味でもあります。参加している取引希望者自体が少なかったり希望者同士の取引希望額に開きがあったりと、取引所取引希望者双方にとって良い状況とは言えません。

分散型取引所の新しいログイン方法

20194月、地中海の島国であるマルタを拠点とした仮想通貨取引所バイナンス(Binance)がバイナンスチェーン(Binance chain)という独自のブロックチェーンを使った分散型取引所バイナンスデックス(Binance DEX)を立ち上げました。

バイナンスデックスの特徴のひとつにログイン方法があります。秘密鍵や秘密フレーズを使ったログインだけではなく、バイナンスの公式ウォレットであるトラストウォレット(trust wallet)やコールドウォレットのレジャー(Ledger)を使ってログインすることが出来るのです。

このログイン方法のメリットは2つあります。

ひとつ目がログインのたびに秘密鍵や秘密フレーズを入力する必要がないことです。

秘密鍵はアルファベットと数字で構成されており、毎回入力するには手間がかかります。秘密フレーズはアルファベットのみの構成となっていますが、やはり入力には時間が必要です。

これらに比べてトラストウォレットによるログインでは、表示されたQRコードをトラストウォレットをインストールさせたスマートフォンで読み取るだけでログイン可能です。

レジャーはPINコードを入力することでログインできます。トラストウォレットに比べれば手間がかかりますが、それでも秘密鍵や秘密鍵に比べれば手軽です。

メリットの2点目は、安全性です。

秘密鍵や秘密フレーズを紙に書いて保管していても、紙自体を紛失する危険性があります。パソコン内にメモを残しておくという方法もありますが、ハッキングなどで流出する可能性も捨てきれません。

これに対して、トラストウォレットやレジャーならば紛失する危険性を下げることができます。

 

まとめ

将来的には普及する可能性も秘めている分散型取引所ですが、現状では取引している仮想通貨の少なさや利用者の少なさから、十分に機能しているとはいえません。同時にログインの手間など利用者の負担も大きいです

しかしバイナンスデックスのように、ログインの手間を減らす仕組みを導入した取引所も出てきました。今後分散型取引所の問題点を解消した取引所が出てくるかもしれません。

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