2019年8月、ライトコインが半減期を迎えました。
半減期とはマイニング報酬が半分になる時期のことを言います。
仮想通貨の中には発行枚数に上限が設けられており、マイニングの報酬として未発行分が発行されている銘柄が複数存在します。
ライトコインもそのひとつで、今回の半減期によりライトコインのマイニング報酬は2、5LTCから12.5LTCへと減っています。
今回はライトコインの半減期について解説します。
半減期とは
元々仮想通貨の上限は、価値の希薄化を避けるために設定されています。
ライトコインの発行枚数上限は8,400万枚です。
もし発行上限枚数が10倍の8億4,000万枚だったならば、1枚の価値は10分の1にまで希薄化されます。
希薄化で問題になるのはタイミングで、もしライトコインの発行上限枚数が8億4,000万枚ならば1枚の価値が10分の1になるという例は、全てのライトコインが発行済みになった場合です。
しかしライトコインの発行上限枚数が8億4,000万枚であっても現段階での発行枚数が6,000枚程度であれば、1枚の価値は10分の1まで希薄化されません。そこで発行枚数に合わせて段階をおいて仮想通貨の価値を高める仕組みが導入されています。
これが半減期です。
半減期は1度だけではありません。
一定ブロック数をマイニングする度に半減期を迎えます。ライトコインが次回半減期を迎えると、マイニング報酬は6.25LTCです。そのため半減期を迎える時に価値が高騰していかなければマイナー離れを招くことになります。
ただし半減期で本当に仮想通貨の価値が高騰するのかどうかは不明です。
大口保有者や運営団体など特定個人や組織が相場に影響を与えることは出来るものの、最終的には参加している投資家によって決定されます。そのため半減期を前に本当に1枚あたりの価値が高騰するのかが焦点となっています。
なお半減期で真っ先に被害を受けるのは直接報酬を受け取ることになるマイナーです。
そのため半減期を過ぎてもマイナーが付いて来てくれるかどうかも注目するべきポイントになります。
ライトコインの半減期が注目される理由
ライトコインの半減期が注目されている理由のひとつに、2020年に控えているビットコイン3度目の半減期があります。
ビットコインもライトコイン同様に総発行枚数と半減期が設定されています。
性能としても似ている部分が多いです。加えてビットコインはライトコイン以上に時価総額が高く、世界的にも注目を集めています。そのためビットコインが金ならばライトコインは銀と称されていることもあります。
これまで2度発生したビットコインの半減期は限定的ながらも価値の高騰に繋がっていました。
しかし3度目の半減期でもこれまで同様に価値が高騰するかどうかは不明です。そこで半減期前のビットコイン相場を予想する材料のひとつとして、ビットコインと似た性質を持つライトコインで様子見することが注目を集めている理由になります。
半減期前後のライトコインの相場
ライトコインが半減期を迎えたのは日本時間の8月5日です。この前後には一時的に高騰し、1LTC=100米ドルを超えました。
ただしビットコイン・イーサリアム・リップルといった他の銘柄も高騰しています。そのためライトコインが半減期を迎えたために高騰したとは言いにくいです。
なお1LTC=100米ドルを超えた後は1LTC=75米ドルを下回るまで下落しています。こちらも他の銘柄同様の値動きです。
半減期前後のライトコインのハッシュレート
半減期で直接影響を受けるのはマイナーです。マイナーが減少するとハッシュレートが減少します。8月頭のハッシュレートは450T(テラ:1T=1兆)を超えていました。
しかし半減期を迎えた後のハッシュレートは減少を続けています。8月末段階での350T以下にまで落ち込みました。単純計算すると2割以上のマイナーがマイニングを廃業、あるいは別の仮想通貨のマイニングへと乗り換えたことになります。
ハッシュレートの減少に合わせて、ライトコインのマイニング難易度も急落しました。2019年4月から5月あたりの水準になっています。
なおライトコインの半減期前日である8月4日から、モネロのハッシュレートが310M前後から350M前後にまで上昇しています。ハッシュレート上昇に合わせてマイニング難易度37Gから42Gへと上がりました。ライトコインのマイナーの一部が、モネロへと移動した可能性があります。
ビットコインのマイニング難易度が9Tから10Tへと上昇しています。ただしビットコインのハッシュレート自体に明確な上昇は見られません。
まとめ
半減期でライトコインの価値は上がりました。ですが他の銘柄の価値も上がっているため、目に見える半減期の影響ははっきりしません。
ただしハッシュレートやマイニング難易度は半減期の影響を受けており、ライトコインのマイナーは減少したと考えられます。マイニング難易度低下のお陰で混乱は見られませんが、現段階でハッシュレートは下落を続けています。
問題はビットコインが半減期を迎えた時です。
ライトコイン同様に目に見える高騰が無かった場合、ハッシュレートやマイニング難易度だけが影響を受ける危険性があります。加えてビットコインは仮想通貨の代表格であるため、影響は他の銘柄にも及びます。
もし大手のマイニングプールが廃業するようなことになれば、仮想通貨全体のバランスが変わるかもしれません。
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