5月6日、米大手暗号資産運用会社のグレースケール社は、米NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)と暗号資産関連企業として初めてのパートナーシップ提携を発表しました。
現在、ニューヨーク・ジャイアンツはNFLでも最も長い歴史を誇るチームの1つであり、歴代4度のスーパーボウル優勝を飾っているチームとなっています。
グレースケールのCEOであるMichael Sonnenshein氏は「両社とも米ニューヨークに拠点を置くこともあり、今回の提携を取り計らった。」と述べています。
今回行われた提携の具体的な内容は、グレースケールがジャイアンツ財団の主催しているチャリティーゴルフイベントやホームゲームのスポンサーとなるという内容となっています。また、今後の予定としてジャイアンツの職員を対象に暗号資産に関する任意参加の教育セミナーを毎年実施することが決定しています。
ジャイアンツ球団のCCOであるPete Guelli氏は「…我々としては、ジャイアンツのチーム理念やブランド価値を理解してくれる上に、暗号資産でのエコシステムをナビゲートしてくれるパートナーが必要だとの考えが以前からあった。グレースケールは我々と同様にニューヨーク市場に対する目的を持ちながらも、暗号資産業界が進化していく中で機関投資家レベルの知識と幅広いネットワークを所持している。」とグレースケール社を評価しました。
また、グレースケール社のCEOであるSonnenshein氏も以下のようにコメントを発表しています。
「我々のルーツはニューヨークにあり、ジャイアンツとのパートナーシップは大変意義深いものであると感じている。今回このような先駆的な考えを持つフランチャイズと提携でき、大変嬉しく思っている。今後は慈善活動などを通して引き続きニューヨーク周辺のコミュニティをサポートしていきたいと考えている。」
今月の5日時点での報道では、グレースケール社の暗号資産関連の投資信託の運用資産残高は日本円にして約5.4兆円にのぼることが明らかになりました。
暗号資産とプロスポーツ界の関係が濃密に
米国のプロスポーツ関連の暗号資産・ブロックチェーン関連の動向が最近になって増加しています。
米NBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)関連では、昨秋から「NBA Top Shot」をリリースしました。さらに現役NBA選手の活躍リールをNFT化したもので、高額な作品では数千万円単位で落札するという例も存在します。
また、暗号資産取引所FTXも3月末にNBAチーム「マイアミ・ヒート」のアリーナ命名権を獲得しました。暗号資産の実用性を検証するクリプト・タスクフォースがフロリダ州のマイアミ・デイド郡に設立されたことから、市長であるFrancis Suarez氏は暗号資産に対して有効的な政策を進め、ブロックチェーン拠点との注目が集まっています。
さらにNFLでは今後の動向はまだ確認されていないものの、昨年3月にはリーグ全体でNFTやブロックチェーン技術の導入を検討していることが報道されていました。加えてNFLのプロ選手が個人でNFTを販売し、収益を慈善団体に寄付する事例も確認されており、プロ入り前にドラフトの有力候補がNFTを発行する例もあるとのことです。
最後にMLB(メジャー・リーグ・ベースボール)では「マネー・ボール」などで知られるオークランド・アスレチックスが同月4日に、ホームゲームの試合チケットで暗号資産ドージコイン決済を受け入れるとの声明を発表しました。
さらに米国の4大プロスポーツ以外でも、MMA団体の「UFC」も暗号資産関連の商標を申請していたことが判明しています。