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マスターカード社:暗号資産での直接決済に対応する計画を発表

大手金融企業であるマスターカード社が年内に暗号資産での直接決済に対応する計画を発表しました。

米国時間の2月10日に公開した公式ブログではデジタル通貨決済に対応する判断について「暗号資産の支持派でも、懐疑派でも、デジタル資産が決済領域の重要なパーツになりつつあることは否定できない。」とコメントしていました。また「我々は暗号資産と決済の将来に向けて準備を進めており、今年中にマスターカードのネットワークで暗号資産に直接対応する。」という旨を明らかにしました。

Coindeskが情報筋として報じた内容によると、マスターカードは2019年に発表した基準「Principles for Blockchain Partnerships」を下に安定性・消費者保護・規制コンプライアンスなどで対応できる暗号資産銘柄を審査するという事実が明らかになっています。しかし、ブログではどの銘柄に対応するか具体的には取り上げられていません。また基準を発表した当時は、2,600もの銘柄が基準を満たしていないとコメントされていました。

一方、同社の「ブロックチェーンとデジタル資産のエグゼクティブVP」を務めるRaj Dhamodharan氏の発言が暗号資産取扱いのヒントとなっているのでは、と話題になっています。同氏は「一部のステーブルコインは以前より規制されているが、数百以上多くの暗号資産銘柄は依然としてコンプライアンスの強化が必要であると考えている。また我々の条件を満たしていない。現時点ではセキュリティと信頼性を提供できるステーブルコインに対応すると考えている。」とのコメントを残しています。

なお、今回の発表で注目すべき点は「直接対応」という点です。これまでマスターカードやVISAといった大手決済会社はさまざまな暗号資産関連企業と提携し、暗号資産デビットカードを発行してきましたが、あくまでもカード会社の決済インフラ提供に留まる形がほとんどでした。

さらに暗号資産を現金に変える形で店舗は最終的に現金を受け取る仕組みがほとんどであったものの、今回は暗号資産の決済を直に対応する意向を示しています。また店舗は暗号資産でも受け取りが可能になることも今回の変更点の特徴です。

マスターカードは「暗号資産の利用を推薦するわけではないが、消費者・店舗・ビジネスがデジタル価値を転送できる選択肢を可能にしたい。」と説明しています。

マスターカードの他、同じ大手のVISAは先日、従来の銀行がビットコインなどのデジタル資産の売買サービスを提供できる仕組みを用意していることを発表しました。VISAやマスターカードのようなグローバル大手が暗号資産関連サービスを展開していけば、その認知度や普及率は大幅に改善されることが可能になるとみられています。