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米ニュージャージー州:公務員における暗号資産とNFTの贈呈禁止法案審議が話題に

米ニュージャージー州で同州の公務員において暗号資産とNFTを贈り物として受け取ることを禁止する法案が審議されています。

同州議会の公文書によると3月7日にChristopher Tully州議会議員が提出した法案では、賄賂や汚職の防止を理由に公務員への贈与に関する既存の法律を修正するとの名目で「贈り物」の定義に「あらゆる形態の暗号資産およびNFT」を加える形で進められているということです。

この法案は3月14日に科学・イノベーション技術委員会で全会一致で承認されており、今後州・地方自治体委員会で討論される予定であることも明らかになっています。また同州議会のTully議員は暗号資産とブロックチェーン技術を認識した上で、公務員の倫理に関連する法律も現状に適応させることが重要だとコメントしています。

デジタル資産法はいかに

同ニュージャージー州では暗号資産規制法についても新たな変更点が見られています。 同月14日、科学・イノベーション技術委員会でYvonne Lopez議員が提案した「デジタル資産およびブロックチェーン技術法」が承認を得たのです。

この法案は暗号資産取引の提供事業者に同州のライセンス取得を義務付けるものとなっています。さらに本法案の中では「デジタル資産」は次のように定義されていることも明らかになりました。

機械で読み取り可能な形式で保存され、数学的に検証可能なプロセスを通じてコンセンサスが得られる分散型デジタル台帳である。またはデジタルデータ構造に記録された取引履歴を有する経済的権利・所有権またはアクセス権を意味する。デジタル消費者資産・デジタル証券および暗号資産がこれらに該当する。

議会民主党によるとこの法案は消費者保護と同州を拠点とする暗号資産ビジネスの発展を同時に実現できるように業界と4年以上に及ぶ議論を重ねた上で生まれた成果であると述べています。

事業活動に従事するにあたり、暗号資産取引業者は同州の銀行保険局に登録した上でライセンスを取得することが必要になるだけでなく、全国規模のライセンス・システムにも登録が義務付けられる形となりました。

加えて過去5年以内に横領・偽造・詐欺・窃盗の罪で有罪判決を受けた個人はライセンス交付を受けることが不可能であることも新しく加えられています。Lopez議員は「暗号資産業界の成長は否定できるものではなく実用性もあるが、消費者にとってはまだ大きなリスクがある。」と述べるとともに消費者保護の重要性を訴えています。

今後、同法案は州議会議長に提出され審議されるということです。

ニューヨーク州の暗号資産関連法案

隣接するニューヨーク州では2015年から暗号資産事業を行うためにライセンスが必要とされていました。また金融サービス局が発行するビットライセンスは認可のためのハードルが非常に高いことでも有名です。

またニューヨークポストによると取得費用は通常でも100万ドル(1億円超)と言われており、ライセンスを取得した企業はいまだに20社ほどです。一方、今年1月に就任したEric Adams市長は暗号資産支持派として知られていることから、今後は暗号資産関連企業にとって同州が活動しやすい環境となるのかと期待の声が上がっています。