どうも!こんにちは!
クリプトマッスルです!
前回と前々回で、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する技術としてシャーディング(Sharding)とキャスパー(Casper)を紹介しましたが、今回はもう一つの技術としてプラズマ(Plasma)という技術を分かりやすく説明します。
→イーサリアムの問題解決を期待されるシャーディング(Sharding)とは?
イーサリアムに実装される予定であるキャスパー(Casper)とは?
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プラズマ(Plasma)とは?
イーサリアムのプラズマとは、イーサリアムの創設者であるVitalik Buterin氏とビットコインのライトニングネットワークのJoseph Poon氏により2017年8月11日に提案、開発された高速な取引を実行してスケーラビリティ問題を解決する為の技術です。
このプラズマはサイドチェーン技術であり、実装することで潜在的に1秒間に数十億回のスマートコントラクトを自律的に強制実行することによって取引処理数を大幅に高めることができます。
イーサリアムのスケーラビリティ問題については以前のシャーディングの記事でも書いていますので合わせてお読みください。
→イーサリアムの問題解決を期待されるシャーディング(Sharding)とは?
プラズマ(Plasma)の仕組みは?
プラズマブロックチェーン
プラズマではメインであるイーサリアムブロックチェーンを「親ブロックチェーン(親チェーン)」として、その下に階層的に「子ブロックチェーン(子チェーン)」である「プラズマブロックチェーン(プラズマチェーン)」を張り巡らせるTree(ツリー)構造となっています。
従来のイーサリアムにおける取引処理は全てを親チェーンであるメインチェーンで行っていましたが、階層的に連なる子チェーンのプラズマチェーンが取引処理をしてデータを書き込みます。
そうすることで、取引処理をサイドチェーンであるプラズマチェーンによって処理し、イーサリアムのメインチェーンから不要なデータ処理を取り除くことによって、取引を高速化することが可能になります。
Map Reduce(マップリデュース)
プラズマでは、Map Reduce(マップリデュース)形式での計算方法により取引の実行速度を劇的に向上させます。
Map Reduce(マップリデュース)とは、大規模なデータを分散処理する為のプログラミングモデルになり、これをプラズマで使用する事でデータの処理を「Map(マップ)」と「Reduce(リデュース)」の2段階に分けて行います。
まず1段階目のMap(マップ)では、親会社が子会社に、その子会社がさらにその子会社に仕事を与えるように親プラズマブロックチェーンから子プラズマブロックチェーンへ計算処理が流れていきます。
次に2段階目のReduce(リデュース)は、完了した仕事を子会社が親会社に提出するステップになり、親プラズマブロックチェーンは派生する全ての子プラズマブロックチェーンから計算処理の結果を送ってもらいます。
このようなMapReduce(マップリデュース)形式で並列計算することで取引の処理を高速化することが可能になります。
プラズマ(Plasma)のメリット&デメリット
メリット
- イーサリアムのブロックチェーンのデータ量の減少
プラズマではTree(ツリー)状にチェーンを張り巡らせることで、メインチェーンへ保存するデータ量を減らすことができます。
結果的にスケーラビリティ問題を解決することへ繋がります。
- 取引の処理速度の向上
プラズマでは、上述した通り1秒間に数十億回のスマートコントラクトを自律的に強制実行するので、その実行速度とともに送金速もを向上する事が可能になります。
- 取引手数料の削減
プラズマによって送金の詰まりを解消することで、高い手数料を設定しなくても早く承認されることが可能になります。
デメリット
プラズマでは二重送金や不正ブロックの生成が起こらないようにするために、ユーザーはメインチェーンに連なっている各プラズマチェーンのデータを全てダウンロードしなければならず、それは子チェーンが拡大していくほど膨大となってしまいます。
これを解決するのが「プラズマキャッシュ(Prasma Cash)」になります。
これに関しては来週説明します。
マッスルまとめ
ここまでイーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する一つの技術プラズマ(Prasma)を仕組みやメリット&デメリットを交えてできるだけ分かりやすく説明しました。
これからのイーサリアムの発展を考えるとユーザーアドレス数や取引数は今後も増え続けて行くことが予想されます。
また、ブロックチェーンゲームやメッセージチャットのようなアプリケーションにおいて、送金詰まりや手数料の高騰は中々使用してもらえないといった弊害を起こしかねません。
なので、このようなソリューション技術は非常に重要になってきます。
これからもイーサリアム関連の技術開発から目が離せません。