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仮想通貨におけるセキュリティ向上のカギ【マルチシグ(Multisig)】とは?

どうも!こんにちは!

クリプトマッスルです!

仮想通貨のセキュリティに関して重要なマルチシグ(Multisig)について、何なのかを種類やメリット&デメリット、種類や実例を交えながら分かりやすく説明します。

 

マルチシグ(Multisig)とは

マルチシグ(Multisig)とはマルチ・シグネチャ(Multi Signature)の略で、直訳すると「複数の署名」という意味になります。

通常、仮想通貨の取引を実行するためには、秘密鍵での署名が必要となります。

このマルチシグは、その秘密鍵が複数に分割されており、取引を行うときに複数の秘密鍵での認証が必要なタイプのアドレスのことをいいます。

ちなみに秘密鍵が一つあれば取引が行えるアドレスをシングルシグと呼びますが、鍵が複数あるものとひとつしかないものを比べると、複数ある方が安全性が高いというのはわかっていただけるかと思います。

例えば、マルチシグ対応ではないビットコインアドレスの場合、一つのパスワードや端末に依存するため、万が一パスワードが盗まれてしまうとビットコインを奪われてしまう可能性が高くなってしまいます。

つまり、秘密鍵が複数あり複数の認証が必要なマルチシグアドレスであれば、その中のひとつが盗まれても、残りの秘密鍵が盗まれていなければ、資産を失わないということです。

 

マルチシグ(Multisig)の種類

マルチシグには、大まかに分けて3種類あります。

取引に必要な秘密鍵の数と秘密鍵の総数によって、「X of X」といった様に表されます。

2 of 2ツーオブツー

2 of 2では秘密鍵が二つに分けられていて、取引を行うには両方の承認が必要になります。

例えば、夫婦で一つずつ秘密鍵を管理し、両者の承認がないと取引を行えないという使い方が行うことができます。

3 of 5スリーオブファイブ

3 of 5は秘密鍵が5つに分けられていて、5人のメンバーがそれぞれ鍵を管理することになります。

取引を行うには、3人以上の承認(過半数以上の承認)が必要ということになります。

2 of 3ツーオブスリー

マルチシグの種類の中で最も一般的な方式がこの「2 of 3」になります。

秘密鍵を3つに分け、2つの承認が揃うことで取引が可能になります。

例えば、1つの秘密鍵を取引所が管理し、2つを自分が管理するようにすれば、取引所が勝手に資産を動かすことが出来ない上に、仮に取引所がハッキングされたとしても、自分の持っている秘密鍵がなければ不正出金が行われることはありません。

上記以外にも種類はありますが、マルチシグアドレスを複数人で管理する場合には、どの秘密鍵を優先して使用するかを決めておくことが非常に重要になります。

 

マルチシグ(Multisig)のメリット&デメリット

マルチシグのメリット&デメリットをそれぞれ見ていきましょう。

メリット

セキュリティの向上

秘密鍵の一つをハッキングされたとしても、2つ以上からの署名が必要という様にしておけば資産を失わなずに済みます。

当然、取引に必要な数の秘密鍵が盗まれてしまったら資産を失う危険がありますが、少なくともシングルシグよりはリスクが低いと言えるでしょう。

リスク回避

通常のアドレスの場合だと、秘密鍵を紛失してしまうとアドレスにアクセスできないため取引ができなくなり、そのアドレス内の資産は事実上凍結してしまいます。

そんなリスクを回避するために、例えば公開鍵を3個登録しておいて、そのうち2つから署名されれば大丈夫という2of3のマルチシグの設定しておけば、仮に秘密鍵を1つ紛失してしまっても資産を失わずに済むということです

ただし、この場合でも2つ以上のパソコンが壊れて秘密鍵を2つ失くしてしまうと取り出せなくなってしまうので、秘密鍵を1つなくした時点で残りの2つの秘密鍵を使って別のマルチシグウォレットに移すことをお勧めします。

デメリット

設定に手間

前述の2of3のマルチシグを設定する場合、3つの別々の公開鍵を集めそれぞれについて秘密鍵を設定し、それらを別々に保存しなければなりません。

つまり登録する公開鍵が増えれば増えるほど設定に時間がかかります。

さらに、秘密鍵を利用する際も複数利用しなければならないことが多いので、セキュリティを高めようとすればするほど手順が増えてしまうといったデメリットがあります。

手数料が少し高い

通常のシングルシグに比べ複数の秘密鍵を利用することにより、設定や送金に追加手数料がかかってしまいます

ですので特別セキュリティを高めたい場合など以外はマルチシグ化を必ずしも行わなくてもいいかもしれません。

 

マルチシグ(Multisig)の実例

マイクロペイメントチャネル

ビットコインなどは一回の取引に対しての手数料が定額であるため、日常生活で最も多くある少額決済であるマイクロペイメントには非常に不便とされています。

しかしマルチシグを使えばマイクロペイメントチャネルが形成でき、取引回数を減らすことができ、新たな少額決済の手段として利用することができます。

マルチシグエスクロー

エスクロー(escrow)とは、商取引の際に信頼の置ける第三者を仲介させて取引の安全を担保する第三者預託である。

引用元:Wikipedia

例えば、ヤフオクやメルカリなどの従来の商品売買では仲介業者が存在しており、その仲介業者をエスクローエージェントと呼び、取引を成立させています。

エスクローエージェントは購入者から一時的にお金を預かり、商品が届かない場合にはお金の返金を行い、こういった仕組みを「エスクロー」と呼びます。

つまり、ブロックチェーンでマルチシグを利用することでより簡単にエスクローを行うことができるようになるということです。

 

マッスルまとめ

ここまで、仮想通貨のセキュリティに関して重要なマルチシグ(Multisig)について、何なのかを種類やメリット&デメリット、種類や実例を交えながら分かりやすく説明してきました。

実際に、取引所においてはまだシングルシグの取引所がほとんどですが、ビットフライヤーなどは既に導入しており、2018年1月のコインチェックのハッキング事件もあるので、これからどんどん導入する取引所は増えていくでしょう。

今後も注目です。