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フィリップス:NFTをを使った作品が340万ドルで落札

英老舗オークションハウスフィリップスが初めてNFTを使った作品が、340万ドルで落札されたことがわかりました。この落札は手数料も含めると販売額は約414万ドルとなっています。

NFTとはそれぞれが唯一無二の価値を持つトークンであり、美術品やスポーツ選手などの収集カード・音楽など様々な分野に応用され始めています。

新たなNFTを生成

このNFTはユニークな性質を持っています。視覚的には米ロサンゼルスのオフィスに設置されたコピー機の映像がその代表例です。しかしそれだけに留まらず、この作品自体が約1年間で新たにNFTを生成し続けるように設計されていることも大きな特徴です。

作品を自己複製するロジックがコントラクトにプログラミングされているだけでなく、複製タイミング・所有権ルール・世代数、さらに一定の回数以上複製されないようにする設定もコード化されていることが大きな強みとなっています。

新たなバージョンNFTが生成されるためには元の作品と少しずつ違ったディテールを持つようにするアルゴリズムも組み込まれたということが明らかになりました。ここで生成されるアートワークの合計は最終的に75から300にもなると予測されています。

Dowbak氏はNFTにおける新境地を発見するために「REPLICATOR」を制作したとして、次のように話しています。

「リリースして終わるのではなく、もっと大きなストーリーを語れるようなそこからさらに発展するものを作ろうと思った。自己複製するNFTというアイデアを思いついた後、説得力のある中心テーマを見つけるのに少し時間を要した。コピー機のアイデアが頭に浮かんだ瞬間が完璧なものだと悟った。時間の経過と共に語られる機械の物語になるのである。」

新たな財政基盤を

フィリップスの20世紀・現代美術部門の専門家であるRebekah Bowling氏はNFTについて今後の方針を聞かれ「有名なアーティストや興味深いアプローチで作品制作を行っているアーティストと協力していきたい。」とコメントしました。

同氏は「明確で興味深いコンセプトを持つNFTが生き残るだろう。このテクノロジーは、特にデジタルを基盤とするアーティストや、これまで作品を商品化する方法を持たなかったアーティストに人生を変えるような可能性をもたらし得る。」とも述べています。

報道によると複製された新たなNFTが流通市場で2次販売される際にも、その価格の10%を作者Dowbak氏が受け取れるように設計されているということです。

NFTは大きな長所の1つとして、2次販売された時にも発行者がその額の一定の割合を受け取れるよう設定可能であることが明らかになっています。