8月15日、NFTマーケットプレイス最大手のOpenSeaはNFTコレクションのレアリティアルゴリズムにおけるオープン基準「OpenRarity」を公開しました。
このオープン基準はNFT業界全体のレアリティスコアの透明性・再現性・客観性の向上を目指し作られたものです。これを実現するためにオンチェーンメタデータのみで確定するレアリティ・プロトコルの作成と、そのNFTプロジェクトへの導入に力を入れています。
OpenSeaは8月27日、分析ツールプロバイダーCurio、icy.tools、PROOFと共同で、数学的に検証可能なレアリティプロトコル「OpenRarity」を作成するプロジェクトを公表すると共に、取引量トップ100に入る複数のNFTコレクションのクリエイターチームとの検証を重ねた上で構築されているという旨も明らかにしました。
今回のリリースでは最初にPudgy Penguins、Cool Cats、Proof.xyzの3つの人気NFTコレクションへの採用が予定されており、数日中にも追加の採用プロジェクトを発表する予定です。
問題点も浮き彫りに
PFP(プロフィール画像)系と呼ばれる種類のNFTは現在NFT市場で最大規模のカテゴリーを占めています。NFTGOの報告では市場価値全体の約56%を占め、PFPカテゴリーの代表格はCryptoPunksとBAYCとなっています。
原則的にみるとPFPは数量限定で構成される傾向があり、色やアクセサリーをはじめ、顔の部位のデザインをランダムに生成しています。よりレアなパーツの組み合わせを持つNFTほどレアリティスコアが高くなっており、これまでもNFT価格に影響を与えてきました。
しかしOpenSeaのPFP NFTでは、現状レアリティの設定プロトコルが統一されていない理由で、コレクターやクリエイターに混乱を招きやすいと指摘を受けているのです。測定ツールによってはNFTデータの算出にカスタマイズが必要とされ、レアリティスコアが異なっているのが現状だとの問題点が浮き彫りになっています。
NFT審査基準の策定に向けた動き
NFT業界は成長著しいだけでなくさらなる発展に向けて、現状の課題解決に向けて主要な事業者が取り組んでいます。8月には米著名VCアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の暗号資産投資部門「a16z Crypto」が、NFT向けのライセンス基準をオープンソースで公開しています。
知的財産権(IP)をNFT購入者に適切な譲渡を可能にするフレームワークを提供することで、NFTの所有権に関する曖昧さを是正するとともに、業界発展をサポートすることを目的としています。
a16z CryptoのMiles Jennings法務担当役員は、今日のNFT市場では購入者の権利関係が曖昧であることと、法的リスクが高いために派生ビジネスが生まれにくいなどの弊害が生じていると指摘していました。