仮想通貨に対する考え方は企業によって異なっています。
未だに仮想通貨やブロックチェーンに対して懐疑的な見方をしている企業もありますが、世界的コンピューター関連企業であるマイクロソフトなどは積極的に仮想通貨と提携して関わっています。
最近では新たに仮想通貨と関わっていく大手企業も増えていきました。
2019年には世界最大手の通販サイトであるアマゾンが匿名性のあることで有名なコモドと提携を発表しています。
またアメリカの株式市場であるナスダックもエストニア金融局の認証を経てDX.Exchangeという仮想通貨取引所を設立しました。
今回は世界有数の取引所であるインターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange、ICE)が提案しているバックト(bakkt)について解説します。
インターコンチネンタル取引所とは
インターコンチネンタル取引所はアメリカのアトランタに本部があり、農作物・金融・エネルギー・金属など幅広い商品を取り扱っています。
農作物ひとつとっても菜種(キャノーラ)・カカオ・コーヒー・綿・フローズンオレンジジュース・小麦・砂糖などさまざまな商品を取り扱っていることが特徴です。
アメリカ国内だけでもアトランタの本部以外にニューヨーク・シカゴ・ヒューストン・ワシントンDCの4箇所の事務所があります。
世界的に見ると、アメリカ以外にはイングランドのロンドン、オランダのアムステルダム、カナダのカルガリーとウェニペグ、更にはシンガポールにオフィスを構えています。
2013年には共同持株式会社であるNYSEユーロネクストを買収し、ニューヨーク証券取引所(The New York Stock Exchange:NYSE)の親会社となりました。
バックトとは
バックトはインターコンチネンタル取引所が設立に向けて動いている仮想通貨やトークンなどデジタル通貨用のプラットフォームです。ビットコインの先物取引なども視野に入れています。
バックトに関係しているのはインターコンチネンタル取引所だけではありません。世界大手のコーヒーチェーン店であるスターバックスがバックトの株を大量に取得しています。
ただしバックトの設立は順調とはいえません。バックトの設立案が発表されたのは2018年8月です。この当時の発表では、2018年12月に立ち上げる予定となっていました。
しかし度々延期となり、2019年4月になってもバックトはまだ設立には到達していません。これは商品先物取引委員会(U.S. COMMODITY FUTURES TRADING COMMISSION:CFTC)の認可が下りていないためです。
認可が下りていない理由として、顧客資産の保管や管理方法に対しての懸念があると見られています。2018年からクリスマス・イブにあたる12月24日が政府機関の休日になったことも延期の要因のひとつと見られています。
2019年4月にはインターコンチネンタル取引所がカストディのライセンス取得に向けて動いているという話も出ています。
バックトに出資した企業
インターコンチネンタル取引所はバックト創設に、マイクロソフトや日本にもオフィスのある経営コンサルティング会社のボストンコンサルティンググループ(Boston Consulting Group:BCG)などが関わっています。
他には世界的大手のコーヒーチェーン店であるスターバックスも協力しています。
バックトの取引システムはマイクロソフトのクラウドを利用、更にスターバックスは2019年3月にバックトの株を大量に取得したことが判明しています。
またバックトは2018年12月に1回目となる資金調達を行い、1億8,250万米ドルを集めました。この時の出資者の中にホライゾンベンチャー(Horizon Ventures)の名前もあります。
ホライゾンベンチャーズは、香港を拠点にした企業グループ長江実業の会長である李嘉誠氏が運営しています。
ビットコイン先物取引について
先物取引とは現時点での取引価格で将来的な取引を約束することです。将来的に高くなると予想した場合は、先物取引で買っておくと約束の日に安く買えることになります。
逆に将来的に安くなると予想した場合は、先物取引で売っておくと約束の日に高く売れるということです。
ビットコインでも先物取引は行われており、シカゴ・ボード・オプション取引所(Chicago Board Options Exchange:CBOE)やシカゴ・マーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange:CME)で認められています。
しかし2019年3月にCBOEはビットコイン先物のサービス提供を一時停止することを発表しています。そのため今後も継続して先物取引が行えるのはCMEのみとなりました。
CFTCから認可が下りるまで待つことになりますが、バックトはCMEと競合することになります。
まとめ
まだCFTCの認可が下りていないために本格的な始動が出来ていないバックトですが、人材の確保やライセンス取得などの水面下の動きは見せています。反面注目度が高いせいでバックトの偽サイトなども登場し、さまざまな情報が錯綜している状態です。
判断が難しい時には、公式サイトや公式ツイッターなどで情報を確認することをお勧めします。
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