29日の暗号通貨市場ではBTC価格が大幅続伸し、前日比+3.21%の102.3万円に達し、一時9,600ドルを上回る結果となりました。この急騰に伴い、大手デリバティブ取引所BitMEXでは、過去36時間で4,000万ドル相当ものショートポジションがロスカットされることとなっています。
ビットコインの回復を受け、世界最大の暗号通貨取引所バイナンスのCZは、「あなたが揺さぶられないことを願っている。まだ、ビットコインは死んではいない。」と期待の声をあげています。
しかし短期的には相場の過熱感もあり、中期トレンドラインに押さえつけられる形で12時時点では約100ドル幅下落も見せている不安定な状態です。
デリバティブ指標での上値余地
NEWSBTCは29日、ビットコインのデリバティブ市場のテクニカルデータを参照する限り天井にほど遠いことを指摘しました。
過去にBTC価格が中期天井を付けた過去のデータと比較しても、暗号通貨の最大手デリバティブ取引所BitMEXにおける金利のファンディングレートに過熱感はみられていません。
ファンディングレートは市場価格を安定させるための手数料の一種で、BitMEXでポジションを保有している場合、8時間ごとに徴収される仕組みでポジション動向を示しています。
BitMEXのファンディングレート変動幅は「-0.375%〜+0.375%」となっているものの、ビットコイン急騰後にも関わらず現状は+0.01%という結果になりました。
26日には、海外トレーダーByzantine Generalが、24日から25日の急落局面においてBitMEXやOKExのような大手デリバティブ取引所のファンディングレートの「マイナスへの偏り」について指摘しています。
大手金融出身の中島翔氏の解説にもあるように、伝統的なアセットクラスの先物価格はおおまかに示すと「現物価格-保有期間の収入+金利等の調達コスト」という計算式となっています。したがって暗号通貨の先物価格は「現物価格」と相場の需給を表す「ファンディングレート」の2点から成り立っているということになるのです。
他のコインの動きはいかに
長期的なビットコイン低迷に伴い伸び悩んでいたアルト市場も、今回のビットコインの高騰を受け好調な兆しが見えています。
ビットコインと高い相関を見せる時価総額2位のイーサリアムが、前日比6.84%高と高騰したほか、国内銘柄ではモナコインやステラがいずれもビットコイン以上の上昇幅を叩き出しました。
暗号通貨データサイトskewは、PoSへの大型アップデートを控えるイーサリアムオプションの未決済建玉が過去最高を更新したことを報告しました。
CMEにも着目
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のビットコイン先物限月が日本時間30日午前1時に迫っていることも市場の注目の的となっています。
CMEは半減期直前の5月10日、ビットコイン先物及びオプション取引に関するレポートを掲載し、先物取引など機関投資家が急速に活性化していることを明かしました。
報告書によれば2020年以降は機関投資家を中心にした新規エントリーが前年同期比で2倍以上伸長し、平均建玉数は前年同期比で+33%、未決済建玉は450億円相当まで膨れ上がっているということです。