世界的なコーヒーチェーン店であるスターバックスの名前が、ビットコインの先物取引を行うBakkt(バックト)のブログに登場しました。
その後スターバックスは、正式にビットコインによる決済を試験導入することを発表しています。今回はスターバックスとビットコインの関係について解説します。
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スターバックスとバックトの関係
バックトの公式サイトには、スターバックスに出資した投資家を紹介する項目があります。この項目の中にはスターバックスの名前はありません。
しかし2018年8月に発表されたバックトの立ち上げには、ニューヨーク証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange:ICE)・IT企業大手のマイクロソフトとともにスターバックスの名前がありました。
ここからスターバックスとビットコインが繋がりが明らかになっています。
スターバックス公式もバックトとの繋がりは認める
スターバックスの公式サイトでも、2018年8月のバックト立ち上げに関するニュースを発表しています。
その中には当時スターバックスのパートナーシップおよび決済担当していた副社長のマリア・スミス(Maria Smith)のコメントも紹介されています。
同氏は「主力小売店としてスターバックスは、消費者がデジタル資産を米ドルに変換するための実用的で信頼できる規制されたアプリケーションを開発する上で極めて重要な役割を果たすでしょう」と語っています。
また同氏は、「1,500万人を超えるスターバックスリワードメンバーのモバイルペイのリーダーとしてスターバックスは、顧客の支払いオプションを拡大するための革新に取り組んでいます」とも述べています。
ビットコインによる決済は、スターバックスの目指す支払いオプションのひとつとなるでしょう。
以前にもビットコイン決済開始の憶測があった
バックトの立ち上げが行われた2018年8月にも、スターバックスがビットコイン決済を開始するのでないかという憶測が出ていました。
この時はスターバックスの広報担当者がコメントを発表し、正式に否定しています。
コーヒー豆の産地追跡にブロックチェーンを導入
2019年5月にはスターバックスは、IT企業大手のマイクロソフトと共同で新しいプロジェクトを発表しました。
このプロジェクトでは機械学習を使用した顧客の好みの収集、店舗のコーヒーメーカーをインターネットに接続してコーヒー豆の産地を追跡するブロックチェーンサービスなどが含まれています。
なおスターバックスとマイクロソフトは、これまでにも提携したことがあります。
今後も継続して提携し、新しいサービス提供を行うことも考えられます。
ティム・ドレイパー氏「2022年にはスターバックスでビットコインが当たり前」
ビットコインには数多くの論者がいます。
今後更に高値になると強気論者もいれば、現状からそれほど普及しないと考えている弱気論者も存在します。
強気論者の中でも特に強気な予想をしている論者のひとりが、ビットコインの投資家として知られるティム・ドレイパー(Tim Draper)氏です。
以前同氏は、ビットコインが2022年までに25万ドル(約2,750万円)になると予想していました。
2019年9月に少し修正し、2022年ではなく2023年第1四半期までに25万ドルになるだろうと語っています。
同氏はビットコインの価格だけではなく、ビットコインの普及についても言及しています。
2019年3月には、「2022年にはスターバックスでドル支払いをしようすると笑われるだろう」と予想しました。
ビットコインに関する同氏の予想は、現段階で当たるかどうか判断はできません。
しかしスターバックスについての予想は、一歩前進していると言えるでしょう。
スターバックスでの支払いをビットコインで疑似決済
これまでスターバックスでの支払いを直接ビットコインで行うことはできませんでした。
しかしビットコインで代理支払いを行うアプリはこれまでにも存在します。
例えばフォールドというアプリでは、スターバックス以外にも大手通販サイトのアマゾンやハンバーガーチェーン店のバーガーキングの支払いをアプリを通じてビットコインで行います。
ただしフォールドはアメリカ・カナダ・メキシコなどの北米が中心で、日本ではまだサービス展開を行っていません。
スターバックスは世界展開しているコーヒーチェーン店です。日本にも数多くの店舗があり、デパートやショッピングモールの中にスターバックスが出店していることも珍しくありません。スターバックスのビットコイン決済試験導入で気になるのは、日本でも試験導入を行うかどうかでしょう。
現段階でスターバックスは、どこの地域で試験導入を行うのかまでは発表されていません。アメリカだけで試すのか、それとも欧州やアジアでも実験するのか、次に注目するポイントは試験導入を行う地域と店舗の数でしょう。