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文化庁:ブロックチェーンやNFTの活用について会議を実施

3月2日、文化庁は文化審議会著作権分科会の基本政策小委員会にて、ブロックチェーンやNFT活用について会議を実施したことを明らかにしました。

この会議では増田雅史弁護士が登壇しています。同氏はIT・デジタル領域全般を取扱分野とする弁護士であり、「コンテンツ分野で活用されるNFTの法的課題」などを議題として取り挙げたということです。

現在はブロックチェーン推進協会のアドバイザーをはじめ、日本暗号資産ビジネス協会・NFT部会の法律顧問を務めている同氏ですが、過去には経済省にてデジタルコンテンツ制作に従事した経験や、金融庁にてブロックチェーン関連の法改正を担当した経験を持っています。

さらに今回の会議で使用された資料ではNFTの基本的な特徴や取引方法を筆頭に、NFTアートの本質などに触れつつ、コンテンツ分野における以下の課題が示されました。

  • コンテンツデータの所在
  • 無権限者によるNFT化・販売
  • 保有者が有する権利が不明確
  • 二次流通ロイヤリティ(報酬)収受の限界

コンテンツデータはウェブサーバ上に存在する点や、取引情報のみがブロックチェーン上に記録される点と問題が指摘されています。

加えてこれらの解決策としては、コンテンツホルダーや発行・取引サービス側がデータを所有している現状を見直すためIPFSなどの永続的な保有方法を確立することが必須条件であると結論を出しました。

また増田弁護士はブロックチェーン上にはない記録の信頼性を担保する方法における不明確さや、著作権を侵害するNFTが横行している状況を問題視し、本人性・実在性の確認機能を含む、NFT化コンテンツ関連情報の一元管理が必要だと指摘しています。

NFT保有に関しては承諾されたとしても著作権ライセンスに直結していないため「発行者によって提示内容・方法がまちまち」であるとコメントしました。提示内容の明確化に向けて「利用態様や表示方法の標準化」が必要であるとも述べています。

議論は加速

日本政府内ではブロックチェーン関連の話し合いが頻繁に行われているのが現状です。

中でも自民党内での議論が活発になっており、2022年1月には党内のデジタル社会推進本部に「NFT政策検討プロジェクトチーム」が設立されています。ここではブロックチェーンやNFT関連の事業を政府の掲げる成長戦略に取り入れる方針を示しています。

また内閣府副大臣などを歴任し、今回NFT特別担当に指名された平議員は先日の衆議院内閣委員会にて「Web3.0」や課税の問題についてコメントを以下の残し、日本のブロックチェーンにおける課題を強く主張しました。

Web3.0はインターネットのあり方を必ず変えるという認識で政策を作る必要がある。加えて、ブロックチェーンに関して一番の問題は課税の問題ある。