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Anatoly Yakovenko氏:NFTについて言及

9月23日、ソラナブロックチェーンの共同創設者であるAnatoly Yakovenko氏は急速に発展するNFT市場について自身の見解を述べました。なおNFTプロジェクトの中から次のマーベルやディズニーといった、世界的なコンテンツIP(知的財産)が生まれる可能性があるとも言及しています。

ウクライナ系米国人である同氏は10代の頃からプログラミングに触れ、1990年代末期のドットコムブームの時期には次のスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツになることを夢見たという人物です。

バブルが崩壊し、混乱期であった2003年にはイリノイ大学コンピューターサイエンスの学士号を取得しています。卒業後にはQualcommに就職し、退職するまでの13年間従事し、2017年に現在の開発企業ソラナラボ設立に至りました。

同氏は9月21日から23日に開催された米業界カンファレンス「Mainnet」で、NFTの盛り上がりを1990年代のオンライン掲示板の台頭に重ね合わせてコメントを発表し話題となりました。

2010年代のSNS文化の礎となったのはオンライン掲示板はであり、今日のメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)のような巨大企業につながったと考える。またそれと同様に、NFTの中から今後数十年のうちに重要なIPにつながる可能性がある。

どっちに転ぶかわからないけれども、現在は90年代の掲示板を見ているような気分だ。この中のいくつかは、FriendsterやMySpace、Facebookになるだろう。だが予測するのは本当に困難なことである。

全世界でNFT市場の全体規模は急速に拡大中です。2020年には400億円程度だったものが、翌年の2021年には4.7兆円以上とわずか1年で100倍を超える爆発的な成長を記録したことも話題になる程です。

現在NFT市場で最も取引の活発なカテゴリーは「PFP(プロフィール画像)」系と呼ばれる数量限定のNFTコレクションとなっています。PFPは市場価値全体の約56%を占めており、代表格にはCryptoPunksDeGodsなどが存在します。

NFTへの期待

その他にもNFTはスポーツや音楽、ゲームアイテムなど、デジタル資産に希少性を生み出しており、経済価値を形成できることで注目されている媒体です。

Yakovenko氏はNFTを『Web3の支配的な、ブレイクアウトのユースケース』と評価しました。また、トークン化された資産のユースケースは無限で、あらゆる種類の創作活動におけるバックボーンとして機能する可能性があるともコメントしています。

日本国内を見てみると、2022年1月に自民党の平将明衆議院議員がNFT政策提言プロジェクトチームを設立しました。

3月にはNFTや暗号資産とブロックチェーンを含めた総合的な方針に関するホワイトペーパーを公表しており、社会基盤やルールを直ちに整備した上で新しい資本主義の成長戦略の柱として、NFTビジネスを推進する姿勢の必要性を訴えています。

また、2022年5月には岸田総理は英ロンドンにて、新たな資本主義の4つの柱の1つとして「グリーン、デジタルへの投資」を挙げたことでも話題となりました。

同時期に総理は「ブロックチェーンやNFT、メタバースなどWeb3の推進のための環境整備も含め、新たなサービスが生まれやすい社会を実現する」とコメントしており、国際社会に対してWeb3への積極的な姿勢を示しています。

9月23日公開の対談では、平将明議員とデジタルガレージの伊藤穣一氏は今後の日本のWeb3国家戦略はどうなるか、その世界観についても議論した内容が話題となりました。