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米政府:ビットコインを押収

米政府が、ダークウェブ「シルクロード」に関係するアドレスが所有する10億ドル相当のビットコインを押収したことが明らかになりました。

米政府はすでにアドレスの所有者を特定済みであることを公表し、今回の押収に同意させているということです。ビットコインがハードフォークして新通貨が生まれたことによって入手した同量のビットコインキャッシュ・ビットコインSV・ビットコインゴールドも押収されたことがすでに明らかになっています。これは米政府の歴史上、最も大規模な暗号資産の押収です。

対象のBTCは、今週移動したことがすでに報告されており、BTC保有量のランキングで4位だった大口アドレスから、6万9,369BTCが移動した大口送金となりました。また送金記録によれば、このアドレスからの出金は5年半以上行われていなかったということです。

しかし当時、送金先アドレスは「unknown」で不明となっていたものの、ブロックチェーン分析企業のCipherTraceによって、送金元がシルクロード関連のアドレスであることが判明していました。

裁判所からの文書によるとこのアドレス所有者はハッカーのもので、シルクロードをハッキングすることによってBTCを盗んでいたことが判明しました。シルクロードの創設者Ross Ulbricht氏は過去にハッカーを特定し、盗まれたBTCを返還するように求めていたものの、ハッカーは返すこともBTCを使うこともしなかったということです。

したがってブロックチェーン分析企業Chainalysisらの捜査から、今回の巨額規模不正取得資金の押収に繋がったということです。

シルクロードについて

薬物売買などが行われていたダークウェブ「シルクロード」は、2011年に開設され、2013年に当局によって閉鎖されました。創設者であるUlbricht氏はすでに逮捕されています。

BTCはシルクロードにおける売買決済に利用され、過去に押収された分は米連邦保安官局によってオークションにかけられています。

2014年にはシルクロードから押収した計3万BTCを、シリコンバレーの著名投資家Tim Draperが買い取りました。この買取金額は1,900万ドルだったため、現在まで保有していれば474億円超になっている計算です。

また今年4月には終身刑で服役中のUlbricht氏が、ブログでBTCの相場を予想したことも話題になっています。