ビットコインキャッシュ(BCH)は11月16日に、「ビットコインABC」と「ビットコインSV」は各々が掲げるBCHプロトコルのルールセットの変更するために2つのチェーンにハードフォークしました。
https://t.co/BmU18OtdbO found a Bitcoin Cash ABC block, rejected by the Bitcoin Cash SV network. Bitcoin ABC has hard forked, and the chain has split. #HashWar
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) 2018年11月15日
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ビットコインキャッシュハードフォーク成功
ハードフォークは、日本時間16日の午前3時20分ごろ、ビットコインABCを支援しているBitcoin.comが最初の新しいブロックをマイニングしたことでチェーンが2つに分かれ、その後、ビットコインSV側も新しい別のブロックをマイニングしたことで、完全に分岐した形となりました。
引用元:CoinDance
ビットコインABCは追加的なコードを入れ、技術的なアップグレードを目指しており、一方でビットコインSVはブロックサイズを32MBから128MBへと増やし、オリジナルのビットコインプロトコルを復活させるコードを含むアップグレードを目指しています。
今回のハードフォークに先駆け、「ビットコイン伝道師」ロジャー氏が支持するビットコインABCと、自称サトシ・ナカモトのクレイグ氏のビットコインSVが対立する事態となりました。
ビットコインSVのハッシュレートが極端に優勢で一時70%を超えるシェアを獲得していたものの、ロジャー氏率いるBitcoin.comなどがハッシュ戦争が開始されるチェーンスプリットに合わせてBTCからBCHにハッシュの大幅切り替えを行うなど、ABC優勢の状況に転換していました。
The https://t.co/6EeRmpfaH7 pool now has more hash rate on it than the entire BCH network had earlier today.
Bitcoin is cash for the world! #BitcoinCash #bitcoincashfork pic.twitter.com/n2MqQ5mlfK— Roger Ver (@rogerkver) 2018年11月15日
ビットコインSVは逆転するのか?
新規チェーンの最初の2ブロックをマイニングすることに成功したBitcoin.comのマイニングプールは、そのハッシュレートを4000ペタハッシュまで引き上げていることも確認されています。
この4000ペタハッシュについて、Bitcoin.comのアドバイザーを務めるスミス氏は以下のように述べています:
BCHネットワーク上で過去最大のハッシュパワーである
現状、クレイグ氏がネットワークに攻撃の意思を行うほど、ABCに対して優勢な立場を取ることができていないビットコインSV、それに対してスミス氏は、マイナー達が、この戦争摩擦をいつまで続けようと考えているかにもよるという懸念点を示しつつも、現在の状況を、以下のように述べています:
クレイグ氏が今後、この状況を打破することができるのかは定かではないが、もし今後もBitcoin.comがハッシュパワーを今の水準で保っていけるのであれば、クレイグ陣営に勝ち目はないだろう。
すでにクレイグ氏は、この「ハッシュ戦争」を続けると公言しており、予断は許さない状況は続いています。
Still not enough…
And, how long will you steal your client’s money… pic.twitter.com/DwxVTJEZeV
— Dr Craig S Wright (@ProfFaustus) 2018年11月15日
Game on…. pic.twitter.com/ix90s0G9tq
— Dr Craig S Wright (@ProfFaustus) 2018年11月15日
実際に、「Satoshi’s shotgun(サトシのショットガン)」と呼ばれるABCのチェーンに偽の取引を送るスパム行為と思われる動きがあり、動画でもハードフォークの直後から行われていたスパム攻撃の可能性がある映像が公開されました。
仮想通貨ビットコインへのダメージと今後の展開
15日付のブルームバーグが、調査会社ファンドストラットのアナリスト、ボブ・スライマー氏が、「テクニカル的に大きなダメージ」が回復するまで「数カ月はかからなくとも数週間はかかる」とみていて、その後ビットコインは「数カ月間の上昇」する可能性があると話したと報じました。
原文はこちら「Crypto-Linked Stocks Drop After Bitcoin Sank to One-Year Low」
ハッシュ戦争自体、今後どのようなになっていく不確かだが、チェーン分岐自体は行われたことは事実で、分岐チェーンをどのように取引所やウォレットサービスなどが取り扱うかというのは注目されるところです。
現時点でビットコインABCとSVの取引を継続して行っているのはPoloniex(ポロにエックス)で、一時的に停止をしている他の取引所が対応するのは、今後の状況を見てからの判断になる可能性は高く、チェーン分岐が行われているため、通貨付与が対象ユーザーに対して行われ、各通貨の価格がこれから決まっていくことになりそうです。
チェックすべきサイト一覧
また、今後のビットコインハッシュ戦争を見ていく上でチェックすべきサイトを一覧で紹介します。
Coin Dance(コインダンス)
公式HP:CoinDance
マイニングされたBCHブロックやハッシュレートと分布、ノード数などの多くの情報を公開するサイトです。
今回記事で利用した情報など、BCHフォークに関する詳細データが掲載されています。
Forkmonitor.info(フォークモニターインフォ)
公式HP:Forkmonitor.info
複数のBCHノードを表示し、あらゆる分岐のChaintipsを監視する、仮想通貨取引所Bitmexによって開発されたツールです。
同様にFork.btc.comというデータサイトもBCHチェーンが視覚的に見て分岐したか否かを監視しています。
Ramen.chopsticks.cash(ラーメンチョップスティックキャッシュ)
Bitcoin ABC、SV、Unlimited、Naybcごとにそれぞれの状況を可視化するサイトです。
同Webサイトによると、その色は、同様のブロックを差別化する目的として、各ブロックコンテンツのECMH signatureによって色分けされた結果であり、取引の順番は考慮していないと記述されています。