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2018年9月初めのビットコイン下落の裏にいる【クジラ】の実情とは?

どうも!こんにちは!

クリプトマッスルです!

アメリカの大手メディア「Bloomberg」よると今年2018年9月上旬の2日間でビットコインの価格が下図からもわかるように15%も急降下した後に「クジラ」と呼ばれるコインの大量保有者が関係していると噂が流れました。

その真相解明にブロックチェーンを追跡することによって、仮想通貨の取引履歴を徹底的に解析しているアメリカの調査会社「Chainalysis」は、「クジラ」がビットコイン市場にどのような影響を与えているかについてまとめた報告書を公開しましたので考察も含めながら見ていきたいと思います。

原文はこちら→「The Not-So-Killer Whales of Bitcoin

 

「クジラ」による影響

前述しましたが、Bloombargによると、2018年8月下旬に5万枚(時価総額約20億ドル)ものビットコインが売却されたことによって、価格が15%も急落した可能性があるともして、このビットコインの価格下落は「クジラ」が引き起こしているという噂が流れました。

しかし、今回「Chainalysis」が発表した分析結果では、ビットコインを大量に保有している投資家(クジラ)が市場を不安定にさせているのではなく、むしろ安定させていることが示されました。

 

4つに分類される「クジラ」

今回の分析ではビットコインの上位32のビットコインウォレット(取引所を除く)について取引履歴を分析した結果、その合計は約100万ビットコインで、約63億ドルに相当します。

また、分析の結果、ビットコインを大量保有している「クジラ」は、主に次の4タイプに分類されることが明らかになりました。

Trader(投資家)

これらの「クジラ」は定期的にビットコインを売買するために取引所と強く関係しています。

また、彼らは9つのウォレットで合計33万2000コインを管理しており、それは20億ドルを超える価値があり、積極的に取引を行うクジラが最も多く、クジラの約3分の1にあたります。

そして、それらのトレーダー達のほとんどが、2017年に市場に参入しています。

Miner/Early Adapter(マイナー/早期採用者)

彼らは2番目に大きいクジラ群で、2017年よりずっと前に市場に参入しています。

このグループには15の投資家が含まれ、総額33万2000コインを保有し、20億ドルを少し上回る価値があります。

しかし、このグループの現在の取引活動は非常に低く、ビットコインの価格が急騰した2016年と2017年にビットコインの多くを売却しているため、現在は非常に裕福であると想定されます。

Lost(秘密鍵紛失者)

この分類は、秘密鍵をすでに失っている「クジラ」の分類で、5つのウォレットに21万2000コイン(時価総額約13億ドル相当)を保有しています。

しかし、これらのウォレットは所有者が秘密鍵を失っているためにビットコインにアクセスできない状態ですので事実上、2011年以降、これらのウォレットでの取引はない状態です。

Criminals(犯罪者)

これは、クジラの中で最も小さい部類の3つのウォレットを所有しているグループになります。

12万5000コイン以上で、資産価値は7億9,000万ドルにも満たしません。

これらのクジラのうち2人は、シルクロードのヤミ市場に関係していて、もう1つはマネーロンダリングに関与しているとされています。

カテゴリー BTC 割合
Trader
(投資家)
約332,000BTC
(約20億ドル)
33.1%
Miner/Early adapter
(マイナー/早期採用者)
約332,000BTC
約20億ドル)
33.1%
Lost
(秘密鍵紛失者)
約212,000BTC
(約13億ドル)
21.2%
Criminals
(犯罪者)
約125,000万BTC
(約7億9,000万ドル
12.5%

「クジラ」は価格変動を引き起こしているのか?

「クジラ」の分類が明確になるにつれて、約3分の1のクジラの資産であるTrader(投資家)だけが、ビットコインを積極的に売買していることが分かりました。

さらに近年では、早期採用者/マイナーや犯罪者は活動休止状態のままで、秘密鍵紛失のクジラは2011年以降非活動になっています。

そこで、“これら「Trader(投資家)クジラ」は実際に価格変動を悪化させているのか”について分析データは別のことも示唆しています。

2017年12月と2018年の大半の価格の下落中に、「Trader(投資家)クジラ」は実際にビットコインの買い手になっていました。

今回の分析は取引所の取引を含んでいませんが、「Trader(投資家)クジラ」は、ビットコインを大量に売却するのではなく、むしろ2016年後半と2017年に取引所からのビットコインを購入していたことを示しています。

これは、下図に示すように、市場での不安定要因ではなく、安定した市場であることを示しています。

このような分析データから、多くの人が噂する「クジラ」がビットコイン市場を不安定にしているという認識は間違っている可能性があることが示されています。

少なくともそれらの大口投資家たちはここ最近の下落相場でビットコインに「投資」を行なっているため、多くの仮想通貨投資家が予想しているようにビットコインは、6,000ドル(約65万円)付近に強力なサポートがあるようです。

 

マッスルまとめ

ビットコインの「クジラ」は引き続き投資家の魅力の対象になり続けるでしょう。

そして、その富と匿名性というのは非常に興味深いものです。

しかし、有用であるためには、お金持ちで有名であるというそのライフスタイルを超えて、これらの大口保有者が市場と相互作用して影響を及ぼす方法に関する実際のデータ分析が必要です。

結果として、今回の「Chainalysis」の分析により、ビットコイン「クジラ」は非常に神秘的であるかもしれませんが、多くの人々が信じるよりも市場価格への影響が少ないことは判明しました。