暗号資産は万人に受け入れられているわけではありません。ブロックチェーンの価値や可能性は認めていても、暗号資産には必要性を感じていないという金融の専門家も複数います。今回は暗号資産否定派で知られるウォーレン・バフェット氏について解説します。
コンテンツ
ウォーレン・バフェットとは
ウォーレン・バフェット氏は投資会社バークシャー・ハサウェイのCEOであると同時に筆頭株主でもあります。投資の神様として知られており、2020年3月現在でも精力的に活動しています。
1930年8月生まれ、2020年8月に90歳を迎えます。若くからさまざまなビジネスに着手し、2011年には大統領自由勲章を受章しました。
バークシャー・ハサウェイとは
バークシャー・ハサウェイのオフィスはアメリカのオマハにあり、元々は紡績を行っていました。以前は紡績と投資を両立させていましたが、2020年3月現在は紡績事業を廃止し投資専門の企業となっています。アップル、バンク・オブ・アメリカ、コカ・コーラといった複数の世界的な企業の株を多数保有しています。
ウォーレン・バフェットとビットコイン
ウォーレン・バフェット氏は、かねてよりビットコインに対して否定的な立場をとり続けていました。ビットコインに対して「価値を生み出すものではない」「バブル」「殺鼠剤の二乗」などという表現をしています。
2020年現在でも同氏の発言は、投資に大きな影響力を持っています。そのため同士のビットコインに対する否定的な発言は、相場の下落へと繋がりました。
ウォーレン・バフェットがビットコインに否定的な理由
ウォーレン・バフェット氏がビットコインに否定的な理由は分散型です。国や地域によってコントロールすることができません。これが同氏のビットコインを信用できない理由です。
ウォーレン・バフェットとランチ
著名な人物と出会うことは簡単ではありません。しかしウォーレン・バフェット氏に関しては、ある程度確かな方法があります。2000年から毎年同氏は、ランチをする権利をオークションに出品しているためです。なおオークションの売上は、ホームレスの支援を行うグレイグ財団に寄付されています。
オークション落札価格
ウォーレン・バフェット氏とのランチは、近年高騰傾向にあります。オークション開催初年の2000年は、2万5,000ドル(約262万円)で落札されました。翌2001年は1万8,000ドル(約189万円)、2002年は 2万5,000ドルです。
しかし2003年から価格が高騰します。2003年は25万100ドル、2008年には168万300ドル、2010年と2011年には262万6411ドル、2012年には345万6789ドルと大幅に価格を上げていきました。
この価格高騰の背景には、2000年頃に発生したITバブルの崩壊とウォーレン・バフェット氏自身の年齢があります。ITバブルを警戒していた同氏は、ITバブルの中心となるハイテク株を持っていませんでした。これが評価され、2003年から高騰するきっかけとなっています。
またウォーレン・バフェット氏は、2020年に90歳となります。年に1度開催されるランチがあと何度開催されるか分かりません。希少価値が高騰へと繋がっています。
なお落札者の中には、匿名で入札している人もいます。2000年、2001年、2005年、2013年などが匿名者による落札です。
ウォーレン・バフェットとトロンCEOジャスティン・サンの会食
2019年のウォーレン・バフェット氏との会食の権利を落札したのは、暗号資産トロン(Tron/TRX)のCEOであるジャスティン・サン氏です。落札価格は457万ドル(約4億7,800万円)となりました。
この会食は度々延期となり、2020年に入ってからようやく実行されました。2月6日にジャスティン・サン氏が、自身のツイッターでウォーレン・バフェット氏を含めた6人の写真を公開しています。
ウォーレン・バフェット氏とジャスティン・サン氏以外の6人の内訳は、ライトコイン(Litecoin/LTC)開発者のチャールズ・リー氏、暗号資産を始めたさまざまなものを取引するイートロ(eToro)のヨニ・アシアCEO、暗号資産取引所バイナンスのチャリティ財団責任者ヘレン・ハイ氏、暗号資産取引所フォビのクリス・リーCFOと言われています。
また会食の時にジャスティン・サン氏は、ウォーレン・バフェット氏にビットコインとトロンをプレゼントしたと語りました。これに対してウォーレン・バフェット氏は、2月24日に行われたCNBCのインタビューで「暗号資産を所有していない。今後も保有することは無い」と発言しています。
まとめ
ウォーレン・バフェット氏は、世界的にも著名な投資家です。しかし暗号資産については否定的な考え方をしています。複数の暗号資産関係者とのランチを経ても、その考え方が変わることはありませんでした。
どちらの意見が正しいのか、2020年3月段階では判断できません。ですが意見のひとつとして肯定派否定派双方の意見を聞いておくことが、今後の繁栄に繋がるかもしれません。