仮想通貨をどのように扱うべきか、その考え方は国や地域によって明確な違いがあります。
例え隣接している地域であっても、仮想通貨に対する取り組み方に違いが見られることは少なくありません。
海を挟んで日本の隣国にあたる韓国ですが、仮想通貨に対する考え方は日本とは大きく異なっています。
今回は仮想通貨に対する2018年の韓国の変化について解説します。
2018年以前の韓国の状況
韓国も仮想通貨は盛況な国のひとつです。Bithumb(ビッサム)やUpbit(アップビット)といった大手の仮想通貨取引所が存在しています。
いくつかの仮想通貨では、韓国の法定通貨であるウォンでの取引割合が上位に位置していることも少なくありません。
このように韓国で仮想通貨が普及している背景として、税金がかからないことや若年層の失業率の増加などが挙げられています。
一方で加熱しすぎた投資熱を抑える意味も含めて韓国政府はICOを全面禁止、更に匿名による仮想通貨の取引を禁止しました。
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仮想通貨に対する課税を検討していることも表明、他にも一部の仮想通貨取引所を閉鎖するという報道もされています。
2018年1月
政府の打ち出した仮想通貨規制に対して、韓国国民は反対運動を行い、集まった著名は20万人分です。
この反対運動に対して韓国政府は30日以内に返答することになります。
また同月韓国の金融当局は、マネーロンダリングや不正行為が起きていないかを調べるタスクフォースの設立も発表しています。
顧客保有の仮想通貨を取引所管理者たちの銀行口座に移動するという事件も1月の捜査で判明しました。
2018年2月
韓国の仮想通貨取引所であるコインピアが、仮想通貨取引を停止しました。
取引停止の理由は、2017年に韓国政府によって提案された本人確認関連の規制を満たせなかったことだと言われています。
2018年1月に行われた韓国国民の反対運動に対する返答として韓国政府は、仮想通貨の取引を禁止しないことを明言しました。
一方で仮想通貨の法案作成に関わった政府高官の一人が心臓発作で亡くなっています。
2018年3月
韓国政府が公務員や省庁で勤務する職員全員に対して仮想通貨の取引を禁止する規制を発表しました。
また中国系の仮想通貨取引所であるHuobi(フォビ)グループが韓国での事業を開始しています。
2018年4月
仮想通貨課税の枠組みが6月に発表される見込みだという報道が行われました。
また国内の仮想通貨取引所12社に対して韓国の公正取引委員会は、消費者を保護するように契約変更を命令しています。
同月韓国の金融委員会は、1月から施行されている匿名による仮想通貨取引を禁止するという法令を遵守しているかどうかを確かめるために農業銀行・国民銀行・ハナ銀行の3行に検査を行いました。
この他に、工場や養鶏場などのために電気代が安く設定されている保護エリア内で不正にマイニングを行っていたとしてマイニングセンター運営者などが逮捕されています。
2018年5月
詐欺の疑いで韓国の検察当局が、韓国の仮想通貨取引所であるアップビットを家宅捜査を行いました。
ただしアップビットは内部検査で詐欺の疑いはないと発表しています。
また韓国の仮想通貨取引所ビッサムが、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF)が制定した規準に従わないイランやエチオピアなど11カ国に住むユーザーの利用を禁止しました。
ICO再合法化という報道も同月行われています。
2018年6月
韓国の仮想通貨取引所コインレール、ビッサムがハッキング被害を受けました。
コインレールの被害額は約40億円、ビッサムの被害額は約33億円になります。
また4月に行った農業銀行・国民銀行・ハナ銀行の内部調査を受けて、アンチマネーロンダリング(AML)に関する新しいガイドラインも発表しました。
2018年7月
仮想通貨取引所が個人情報を厳正が取り扱っているかを、韓国の監視機関2団体が調査することを表明しました。
また同月には、仮想通貨・ICO・ブロックチェーン技術に関する新しい法律の草案が提出されています。
2018年10月
韓国金融委員会の委員長であるチョイ・ジョンク氏がICOに対して否定的な見解を表明しました。
また仮想通貨ファンドに投資する場合は慎重に検討するように韓国の金融委員会は、投資家に対し警告しています。
2018年11月
中国の仮想通貨取引所であるBTCCが韓国でサービス準備を開始しました。
一方で韓国の仮想通貨取引所であるZeniex(ゼニックス)がサービスを終了しています。
2018年12月
管理体制やマネーロンダリング対策が不十分と韓国の金融当局が、国民銀行と農協銀行に警告を行いました。
また韓国の仮想通貨取引所であるアップビットの元CEOら3名が、約25兆円の取引注文偽造の疑いで起訴されています。
まとめ
2018年の韓国は政府の法案作成が完了していないこともあり、当局の調査や逮捕が繰り返されています。
仮想通貨に対する課税案もまだ明確にはなっておらず、もうしばらくは混乱が続くかもしれません。
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