COLUMN(コラム)

ビットコインETFとは⁉️

ビットコインの新しい取引方法としてETFが検討されています。これまでにも複数の企業がビットコインETFを考案し、米証券取引委員会であるSEC(U.S. Securities and Exchange Commission)に承認を求めています。

20194月現在、未だにSECの承認を受けたビットコインETFはありません。しかしSECの発言からは承認する可能性があることも残しています。

今回はビットコインETFについて解説します。

ビットコインETF

ETFとは

ETFとはexchange traded fundsの頭文字をとったもので、上場投資信託と呼ばれています。まだ仮想通貨に関するETFは存在しませんが、株式・債券・賃貸料を含めた不動産(REIT)・金や原油などの商品(コモディティ)などがETFで取り扱われています。

REITとはreal estate investment trustの略です。日本語では不動産投資信託などと訳されています。投資家から資金を集め不動産を購入、その土地を貸し出すことで得られた収入を投資家へと還元するという金融商品になります。

ETFと投資信託の違い

ETFと投資信託は、金融のプロが資金を運用するという意味では同じです。しかし運用方法に違いがあります。

投資信託の取引は1日に1度だけです。そのため終値や始値が収支計算の基本となります。これに対してETFでは日中の取引全てから収支の計算を行います。このため投資信託と比較しETFは、より多くの利益を見込むことができます。

この他の違いとしては、信託報酬が挙げられます。投資信託もETFも金融のプロが資金の運用を行うため、運用してくれているプロに対して報酬を支払う必要があります。これが信託報酬です。

信託報酬を投資信託とETFで比較すると、ETFの方が安い傾向にあります。これは投資信託が状況に応じて銘柄を入れ替えるのに対し、ETFは銘柄の入れ替えを抑えていることに理由があります。

銘柄の入れ替えには毎回ある程度の手数料が必要です。この入れ替えの手数料も信託報酬として繁栄されます。

またETFでは上場している銘柄しか取り扱わないこともあり、売買手続きは全て取引所経由で行われます。一方投資信託は非上場銘柄も含むため、さまざまな企業や金融機関を通じて売買が行われることになります。これらの手続きの煩雑さも信託報酬の差です。

一方ETFのデメリットは、投資信託と比べて必要となる資金が多いことです。投資信託では1,000円程度から参加が可能なので、投資初心者の人でも練習に近い気持ちで挑戦することも出来ます。

ある程度慣れたところで資金を追加したり、投資信託で得た資金を自動的に同じ投資信託へと回すことも可能です。

しかしETFに投資する場合は1回で10万円近い金額が必要になります。また再投資するためには自分で再び設定する必要しなければなりません。

これまで申請されたビットコインETF

SECにはこれまでに複数のビットコインETFが申請されてきました。中にはアメリカで仮想通貨取引所ジェミニを運営しているウィンクルボス兄弟からの申請も含まれています。

ウィンクルボス兄弟は2人ともフェイスブックの創業者であるマーク・ザッカーバーグと同じハーバード大学の出身です。フェイスブックのアイディアを誰が考案したのかが問題となり、ウィンクルボス兄弟はフェイスブックを提訴しました。

裁判ではウィンクルボス兄弟は勝訴を勝ち取り、その時得た賠償金6,500万ドルを得ます。2人はこの賠償金を元手にビットコインを購入、自らも仮想通貨取引所を立ち上げ運営しているほどです。

シカゴオプション取引所を意味するCBOE(Chicago Board Option Exchange)SECにビットコインETFを申請していました。しかし一部閉鎖をしている政府機関の影響もありCBOEは申請を撤回、20192月に再申請しています。

他にもプロシェアーズ・ディレクシオン・グラナイトシェアーズなど投資会社がビットコインETFを申請しました。しかしこれらのビットコインETF全てが認可されていません。

ビットコインETFに関わる発言

20192月、SECのコミッショナーであるロバート・J・ジャクソン氏がアメリカのニュースサイトであるロール・コールのインタビューに答えました。このインタビューの中で同氏は、最終的には誰かが基準を満たすだろうと発言しています。

一方ビットコインETFは必ずしも必要ないという意見もあります。世界的な仮想通貨取引所であるバイナンスのCEOジャオ・チャンポン氏は、ETFは業界成長の核となるとは考えていないという見解を示しています。

 

まとめ

ビットコインETFに関してSECが懸念しているのは詐欺や価格操作への対策が不十分だといわれています。これは最初に申請されたウィンクルボス兄弟のビットコインETFを拒否した時から一貫している理由です。

しかしビットコインETFの審査申請している企業は未だに存在し、ビットコインETFの必要性を主張している投資家もいます。将来的にSECの認可を受けたビットコインETFが出てくるかもしれません。

ただしビットコインETFが業界全体を牽引するかどうかは現段階では不明です。