COLUMN(コラム)

IEO(アイイーオー)とは

これまでの仮想通貨は従来ICO(Initial Coin Offering:イニシャルコインオファリング、仮想通貨の上場前に行う資金調達)で当面の活動資金を調達していました。

20194月現在でもICOは行われています。しかし2018年に比べて調達額が大きく減少しました。

そしてICOの代わりに台頭してきた資金調達方法がIEO(Initial Exchange Offering:イニシャルエクスチェンジオファリング)取引所による仮想通貨の資金調達です。

今回は新しい資金調達方法であるIEOについて解説します。

IEO(アイイーオー)とは

IEOの概要

これまでICOは仮想通貨の将来性を占う重要な要素でした。 ICOでの資金調達額の大きさや目標調達額達成までの時間は、今でも投資家の期待値の大きさを示す指針のひとつとなっています。

イーサリアムもICOに期待する投資家にとって大きな存在です。20194月現在イーサリアムは時価総額ランキングで2位になっています。

そんなイーサリアムも2014年にICOで資金を調達しました。当時の価格は1ETH=30円前後です。しかし今では18,000円を超えています。ICO当時の相場と比較すると、600倍の高騰です。

仮想通貨のバブルを迎えた20181月には1ETH=15万円となっていました。この時の相場で考えると、イーサリアムは5,000倍になったともいえます。

これからもイーサリアムと同等、あるいはイーサリアムを超える銘柄が出てくるかもしれないという期待がICOにはあります。大きなリスクを背負ってでもハイリターンを求める投資家にとって、ICOは興味深い存在です。

また仮想通貨の問題点のひとつに有価証券と見なされる危険性があります。供給量を調整することで価格の安定を狙った仮想通貨ベーシス(Basis)は、13,300万米ドル(150億円)の資金を調達しました。しかし有価証券適用規制を回避する手段がないという判断からプロジェクトを断念しています。

これに対しイーサリアムは、有価証券ではないという憶測が既にあります。20186月、米証券取引委員会(SEC)のウィリアム・ヒンマン氏がビットコインとイーサリアムは有価証券ではないという見解を示しました。

もし銘柄が有価証券と判断されると、インサイダー取引などの規制にも注意を払う必要があります。既に有価証券ではないという憶測のあるイーサリアムは、投資家にとって安全度の高い銘柄です。

しかし仮想通貨業界全体で見ると、ICOは投資家側にとっても運営側にとってもリスクの高い資金調達方法と見なされつつあります。

日本やアメリカも仮想通貨自体は容認していますが、ICOに対しては規制する方針を進めています。これは日米に限らず世界的に見られる傾向です。

2018年の第1四半期の資金調達額は約69億米ドルでした。これに対し2019年の第1四半期の資金調達額は約11,800万米ドル、60分の1ほどにまで減少していることになります。

IEOの特徴は、ICOの規制を抜けられる可能性があることです。ICOを禁止している中国や韓国でもIEOのプロジェクトが立ち上げられています。

IEOのメリット・デメリット

メリット

IEOのメリットひとつ目は運営組織の負担軽減です。ICOでは各銘柄の運営組織が独自にホワイトペーパーなど必要な書類の準備を行っていました。これに対してIEOは取引所が補助してくれることになります。

ふたつ目のメリットは信頼補償です。新しく銘柄を立ち上げる組織は世間的に知られていないことも少なくありません。ホワイトペーパーに書かれている内容を達成できるだけの技術力や経営力が本当にあるのか、投資家の判断する材料がどうしても乏しくなってしまいます。

実際ICOの成功率は2017年でも約50%に過ぎません。2018年第4四半期に入ると40%を切ります。仮想通貨コンサルティング会社CTIAなどICOをサポートする企業も登場してきました。これらのサポート企業ならばサポート企業によるICO成功例そのものが信頼へと繋がります。

デメリット

一方IEOのデメリットとしては、IEOを行う取引所にアカウントをつくらなければならない点が挙げられます。この他には取引所が発行している独自通貨の保有や抽選待ちなどの条件もあります。

ただしこれはデメリットだけとはいえません。仮想通貨の問題点である顧客の本人確認(KYC)やマネーロンダリングなどの資金流出対策(AML)をアカウント確認という形で取引所が行ってくれるためです。

IEOを開催している取引所

20194月現在、IEOを開催している代表的な取引所はバイナンス(Binance)・フォビ(Huobi)・ビットレックス(Bittrex)などです。

バイナンスはロンチパッド(launchpad)という名称で、既に3回のIEOを開催しました。1人あたりの購入数制限(個人キャップ)が設けられているにも関わらず、3回とも1分かからずに完売しています。フォビやビットレックスで開催されたIEOも同様に1分かからずに目標額に到達しました。

 

まとめ

現状IEOが本当にICOの代わりになるのか判断するのは難しいです。各銘柄への将来性ではなく、IEOという新しい資金調達方法自体に投資家が興味を持っている可能性も捨てきれないためです。

IEOが本当に評価されるためには、IEOで資金調達した仮想通貨が何らかの結果を出すことが必要になるでしょう。

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