クリプトマッスル

カナダ大手銀行のAML対策マネジャーを仮想通貨テザー(Tether)が採用

7月12日に仮想通貨テザーでおなじみの運営会社テザー・リミテッドがカナダの大手銀行モントリオール銀行(BMO)でAML(アンチマネーロンダリング)品質管理マネジャーを務めていたレオナルド・リアル氏を、規制コンプライアンスの責任者として採用したことを発表しました。

2017年末の価格操作疑惑により、USドルとの裏付けの信憑性が問われているテザーにおいて、このレオナルド・リアル氏の採用が規制順守やコンプライアンスの強化を促すのかどうか注目のところです。

リアル氏は、BMO時代にAML調査の質を改善するために、規制要件にしたがって実務、ポリシー、または手順を確立するといった内容の仕事をしていました。

株や先物取引の経験もある同氏は、今回の就任について以下のようにコメントを述べています。

I look forward to helping showcase Tether’s commitment to transparency and regulatory compliance within the blockchain and cryptocurrency space,” said Real in an announcement posted on the company’s website. “As a longtime advocate of blockchain technology and the integration of cryptocurrencies into the mainstream, I am looking forward to putting my experience in AML and regulatory compliance in traditional financial institutions to use, to ensure that the Tether project can continue its work disrupting traditional industries.

ブロックチェーンおよび仮想通貨業界で透明性の確保や規制遵守を目指すテザーの取り組みの紹介を助けれることを楽しみしています。仮想通貨をメインストリームに組み込むという動きやブロックチェーン技術を長年支援している者として、従来の金融機関でのAMLや規制遵守に関する私の経験を活かせることを嬉しく思います。従来の産業界に革命を起こすようなテザーのプロジェクトを確実に継続させていきます。

引用元:https://www.ccn.com/crypto-startup-tether-hires-bank-of-montreal-vet-to-head-compliance-efforts/

2014年にテザーは、「初めて」法定通貨に裏付けされた仮想通貨のトークン化を行うブロックチェーンプラットフォームとして設立されました。

2018年6月に、フリー・スポーキン&サリバン法律事務所がテザーの口座を非公式に監査した結果、トークンを1対1でUSドルによって裏付けるだけの十分な資金がUSDTには実際にあることが分かっています。

しかし、6月の監査「非公式」であるがゆえに、テザーがすべてのトークンをドルで裏付けられるかどうかという公式な監査による裏付けはまだされていません。

さらに同じ6月、テキサス大学のアナリストが調査結果が公表されるや否や、テザーが2017年にビットコイン(BTC)の価格が2万ドル近く急騰した際に、価格操作を行ったのではないかという疑惑が浮上しました。

同アナリストによると「テザーの購入が市場での落ち込みの後に設定されたことにより、ビットコインの価格の急激な上昇につながった可能性がある」と主張しています。