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ブロックチェーン機能を拡張させる技術【サイドチェーン】とは?

どうも!こんにちは!

クリプトマッスルです!

次世代のブロックチェーンと呼ばれている「サイドチェーン」という技術について、作られた背景や仕組み、メリット&デメリットなどを踏まえて出来るだけ分かりやすく説明します。

サイドチェーンとは

サイドチェーンとは、複数のブロックチェーンの間で、取引やその他の情報などをやり取りし、単体のブロックチェーンではできなかったことなどのデメリットを改善し、機能を拡大するために実装されたブロックチェーンのことになります。

主としてビットコインのブロックチェーンを親チェーンとして、その他の相互関係があるブロックチェーンをサイドチェーンと呼んでいます。

 

サイドチェーンが作られた背景

サイドチェーンが開発された背景にはブロックチェーンの機能を拡張させるというのがあります。

ビットコインでは、取引数が増えるにしたがって送金手数料が増え、ブロック承認までの時間が長くなったり、スマートコントラクトなどの機能がないといったデメリットがありました。

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これらのデメリットを解決するために、登場したのがサイドチェーンという概念です。

また、ビットコインのブロックチェーンには技術的蓄積はありますが、それとともに関わる人間も増え、新たな技術変更をするにも合意がなかなか得られにくくなっているという現実があります。

そこでサイドチェーンであれば、ビットコインのコア技術を利用しつつも、新たな技術を素早く投入することが可能になります。

こういった背景により、マイニングなどの作業がビットコインブロックチェーンに紐付けられた、サイドチェーンが開発されました。

 

サイドチェーンの特徴

先ほどビットコインのブロックチェーンを親チェーンとしてその他の相互関係があるブロックチェーンをサイドチェーンと呼んでいると言いましたが、サイドチェーンには大きく分けて2つの特徴があります。

ブロックチェーンの機能拡張

サイドチェーン上で取引の処理を行えることによって、手数料の軽減や処理時間の短縮、 スマートコントラクトなどの追加が可能となります。

またサイドチェーン上での取引などが親チェーンと紐付けられているため、親チェーンによって安全性や信頼性が担保されています

独自通貨の発行

サイドチェーン上で独自の通貨を発行することで、親チェーンの安全性や信頼性を得られるとともに親チェーン上の通貨とサイドチェーン上の独自通貨との取引や移動を行うことができます

従来はビットコインからXCPという独自通貨に変換することはできましたが、その逆はできませんでした。

しかし、サイドチェーンの導入により、サイドチェーン上の独自通貨とビットコインとを、交換・移動することが可能になります。

 

サイドチェーンのメリット&デメリット

それでは次にサイドチェーンのメリット&デメリットについてそれぞれ見ていきましょう。

メリット

ハッキングリスクの軽減

イーサリアムのようにスマートコントラクトのコードを全て親チェーンに記述しているとハッキングされた際の被害が拡大してしまう恐れがあります

そのためメインチェーンを分裂させる必要が出てきます。

しかし一方で、サイドチェーンにスマートコントラクトのコードを記述しておけば、ハッキングされたとしてもサイドチェーンを切り離せば、被害を最小限に抑えることができます

つまりサイドチェーン内の出来事として収めることができる方が良いということです。

処理能力の高速化

親チェーンをハードフォークさせなくとも、ブロック生成時間を短縮させしたり、改良した技術で取引/秒を増やしたものをサイドチェーンとして行うこともできます。

ライトニングネットワークがまさにビットコインにおける送金に特化したサイドチェーンの実装例となります。

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通貨の機能拡張

親チェーンのブロック承認などの一部をサイドチェーンで行うことにより、チェーン毎の負荷が減り、送金手数料の軽減や送金速度が速くするという事も出来ます。

もちろん各ブロックの負荷も軽減されるので、スケーラリビティ問題の解決にも役立ちます。

デメリット

承認作業の増加

サイドチェーンと情報を共有し、処理を行うということは、親チェーンでの承認作業の他にサイドチェーンでの承認作業、さらにはサイドチェーンと親チェーンの間での取引の承認作業とサイドチェーンの導入することで作業量はかなり増えることになってしまいます

そのため、大量に承認作業をできる仕組みをもったサイドチェーンを開発していくことが求められています。

セキュリティの不安定化

親チェーンとサイドチェーン間のやり取りに関しての脆弱性が挙げられています。

また、どんなに親チェーンが堅牢な作りであってもサイドチェーンが展開するプラットフォームの作りが脆弱であればサイドチェーン内でもハッキングは行われます

開発の質をある一定以上に保つことが今後の課題の一つとなってくるでしょう。

中央集権になりがち

今までは親チェーンという一つのチェーンをマイニングすればよかったものが、サイドチェーンを取り入れると親チェーンとサイドチェーンという複数のチェーンをマイニングすることになります。

これにより総合的に大きなマイニングパワーが必要になり、そのマイニングパワーを持つ一部の人に報酬が集まってしまうといったことが懸念されています。

 

サイドチェーンの使用事例

Rootstock

rootstock

Rootstockとはサイドチェーンを用いてビットコインのブロックチェーンにスマートコントラクトを実装する事を目標とするプロジェクトになります。

つまり、ビットコインの特徴を活かしながらも、イーサリアムのようなスマートコントラクトをビットコインのサイドチェーン上で可能にしようということです。

Rootstockではサイドチェーン上のブロック生成時間を10秒ほどにまで短縮することに成功しています

これにより、送金速度の向上やスケーラビリティ問題の解決に繋がると期待されています。

Liquid

 

liquid

Liquidは複数のビットコイン取引所とウォレット間での共同の保管場所を提供するというプロジェクトです。

仕組みとしては、親チェーンのビットコインと1:1のレートで交換できるビットコインをサイドチェーン上に展開する事によって、即時換金性を確保し、保管場所としての機能を果たしています。

通貨の交換は瞬時に行えるため、サービス間でのビットコインの移動は瞬間的に行えます。

そして、共同で保管する事で、それぞれの取引所や企業が破産するリスクそのものを抑えることが可能になります。

さらには、Liquidでは取引を隠すという機能が実装されており、プライバシー性も十分にあります。

LISK

LISK

LISKでは分散型アプリケーションのサイドチェーン上にスマートコントラクトを記述することで、親チェーンに記述する情報量を減らし、高速で安全な取引を実現するプロジェクトになります

サイドチェーン上にスマートコントラクトのコードを記述すれば、ハッキングの被害を最小限に抑えることが可能になり、セキュリティの向上にも繋がります。

 

マッスルまとめ

ここまで次世代のブロックチェーンと呼ばれている「サイドチェーン」という技術について、作られた背景や仕組み、メリット&デメリットなどを踏まえて出来るだけ分かりやすく説明してきました。

サイドチェーンは、既存の仮想通貨の機能を拡張させること安全性の向上が望める画期的な技術です。

今後も新たなサイドチェーン技術が出て来ることが考えられますので要注目です。