COLUMN(コラム)

フェイスブック(Facebook)と仮想通貨の関係

2019年5月、イギリスのメディアであるBBCが世界最大級のソーシャルサービスネットワーク(SNS)であるフェイスブックが仮想通貨業界に参入すると報道しました。

20195月に出ている情報の範囲では2019年にテストを開始し、2020年の第一四半期にローンチされる予定です。まだ名称は発表されていませんが、「グローバル・コイン」という名前が入ると見られています。

フェイスブックは元々仮想通貨と繋がりがあり、フェイスブック自らが仮想通貨を発行することには複数のメリット・デメリットが考えられます。

今回はフェイスブックと仮想通貨の関係と、フェイスブックが仮想通貨を発行することによるメリット・デメリットについてまとめます。

フェイスブック(Facebook)と仮想通貨

フェイスブックと仮想通貨の関係

フェイスブックの最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッハーバーグ氏は、仮想通貨取引所ジェミニの創業者であるウィンクルボス兄弟と同じハーバード大学の出身です。

フェイスブックのアイディアはウィンクルボス兄弟の考えたものであると裁判にもなり、フェイスブックはウィンクルボス兄弟に6,500万米ドルの賠償金を払っています。

この賠償金を元にウィンクルボス兄弟はビットコインを購入、仮想通貨業界に参入したと見られています。

またフェイスブックは宣伝という意味でも仮想通貨と深い繋がりがあります。

フェイスブックは宣伝媒体としても非常に大きなシェアを誇っており、仮想通貨関連の広告も多く掲載されていました。

しかしビットコインの相場が大きく高騰した2017年、仮想通貨および上場前に行われる資金調達(Initial coin offering:ICO)で詐欺や誇大広告が多く登場したことから仮想通貨関連の広告掲載を禁止にしました。

この動きは後に検索エンジンのグーグル(Google)SNSのツイッター(Twitter)にも波及しています。

20195月現在は情勢が変わり、フェイスブックも条件を緩和しています。ブロックチェーン技術やイベントなどに関する広告は事前承認無し、仮想通貨の各銘柄や仮想通貨取引所などの広告は事前に承認を得られれば掲載可能です。

 

フェイスブックが仮想通貨を発行するメリット・デメリット

メリット

フェイスブックが仮想通貨を発行するメリットは知名度の高さと非金融機関による発行です。フェイスブックは月間利用者数で既に20億人を超えています。これはフェイスブックだけの利用者数です。

フェイスブックはインスタグラム(Instagram)やワッツアップ(WhatsApp)などの別の形式のSNSも展開していますので、総数でいうと月間利用者数20億人を更に上回ると予想されます。

更にフェイスブックは宣伝媒体としても優れているため、フェイスブックが仮想通貨を発行するとなるとフェイスブック関係の媒体で広告が掲載される可能性があります。

加えて仮想通貨によりフェイスブックの利便性が上がるのであれば、仮想通貨を求める人の数も増えていくでしょう。

非金融機関による発行というところも大きなメリットです。仮想通貨の多くは金融機関が何らかの形で関わっていることが多いです。

しかし金融機関には金融機関としての経営方針や理念があり、利益を出さなければなりません。一時的な含み損や先行投資であれば大目に見てくれることもあるでしょうが、それでも長い目で見て利益を生み出すことが宿命ともなっています。

これに対し非金融機関であれば、利益は必ずしも最優先されるとは限りません。利益以上に使いやすさやシステムの充実を優先することが出来ます。

20195月現在の仮想通貨は、まだ社会に浸透しているとは言えない存在です。どの程度の利益を生み出すのか容易ではありません。このような情勢にある時は、専門知識を十分に持ち経験もある非金融機関の方が的確な方針を立てられる可能性があるわけです。

特に2018年のような仮想通貨が弱気市場に入っている時は、非金融機関の方が先を見据えた開発を進められるでしょう。

デメリット

逆にデメリットとしては、フェイスブックのプライバシー保護体制があります。2016年のアメリカ大統領選挙でフェイスブックから大量の個人情報が流出したことが報道されました。

その後も20183月にイギリスの選挙コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)が、フェイスブックから得た個人情報をビジネスに利用していたことがリークされています。

2019年5月現在、フェイスブックはプライバシー保護強化を行っていると発言しています。しかし本当に強化されているかは外部から判断することは難しいです。

またフェイスブックのような知名度のある企業が仮想通貨業界に入ると、将来性のある銘柄を潰す危険性も考慮すべきでしょう。

 

まとめ

フェイスブックは以前よりブロックチェーン技術に関心を寄せていました。20192月にはチェーンスペース(Chainspace)というイギリスのスタートアップ企業を買収しています。

以前はフェイスブック内でメッセンジャー部門の責任者を務めていたデビット・マーカス(David Marcus)氏は、ブロックチェーンを推進するチームを結成しました。

今後注目を集めるのは、フェイスブックが本当に顧客のプライバシーを守ることができるかどうかでしょう。

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