東京証券取引所の大幅な株価下落を受けて、仮想通貨市場もそれに引きずられて軒並み下げていますが、仮想通貨はまだまだ発展途上のテクノロジーであり、このままなくなってしまうわけではありません。
テクノロジーといえば、GAFA（Google、Apple、Facebook、Apple）と呼ばれているアメリカの巨大IT企業も、ここのところ個人情報流出問題や米中貿易戦争の影響を受け、大きな壁にぶつかっているように見えます。
今回は見方を変えて、仮想通貨とこうした巨大テクノロジー企業との関係について、ご一緒に見ていくことにしましょう。
仮想通貨とFacebook(フェイスブック)
まずは、最近になってますます個人情報問題で苦しい立場に追い込まれているFacebook（フェイスブック）です。
2018年3月、フェイスブックは自社のユーザー情報が選挙コンサルティング会社を通じてアメリカ大統領選挙に利用されたことから始まって、最新のニュースではフェイスブックのユーザー情報をアマゾンやアップルに提供してことが発覚しました。
苦しい状況が続くフェイスブックですが、アメリカのメディア大手であるブルームバーグの報道によれば、4年前に買収したメッセージアプリ「WhatsApp（ワッツアップ）」を使って送金を行える仮想通貨を開発中とのことです。
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メインターゲットと思われるインドでは、同社のアプリユーザーが2億人にものぼっているとのこと。インド向けに送金された外貨の総額は690億ドル（約7兆6,320億円）といった規模になるため、そうした需要を将来取り込もうとしているのでしょう。
仮想通貨とApple
つい最近まで会社の時価総額がアメリカで1位だったアップルは、仮想通貨に対してはどういった立場をとっているのでしょうか。
2017年9月のcoindeskの報道によると、アップルはグーグルなどとともに暗号通貨での支払いに対応したインターネットブラウザAPI（アプリケーションを作成するためのインターフェイス）を公開し仮想通貨への積極的な姿勢を見せました。
続いて2018年の4月にはリップル（XRP）との連携して次世代のiOSで仮想通貨での決済を採用すると発表しました。
しかしそれと同時期の2018年の6月にはiOSやMac上での仮想通貨マイニングや成果報酬としての提供を禁止するガイドラインをWWDCで発表し、硬軟取り混ぜた対応を見せています。
仮想通貨とAmazon
さて、今やアメリカにとどまらず世界規模のIT企業に育ったアマゾンはどうでしょうか。
2018年3月に行われた世論調査によれば、もしアマゾンが独自の仮想通貨を発行したら使うかという問いに「はい」と答えたユーザーは全体の約50%で、特にプライム会員では60%ちかくにのぼったとのこと。
アマゾンはこうした追い風を背景にして、企業向けのブロックチェーン・ネットワークを開発するためのサービス「Amazon Managed Blockchain」のテスト版を12月に開催した「Amazon’s re:Invent conference」にて発表しました。
企業向けクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス（AWS）」という圧倒的な強みを持つアマゾンは、仮想通貨の世界でも存在感を高めていくことが予想されます。
まとめ
さて、ここまでIT業界の巨大企業が仮想通貨に対してどのようなスタンスを取っているかを見てきました。2018年は仮想通貨にとってあまりよくないニュースの目立った一年でしたが、最先端のテクノロジーを牽引するアメリカ企業は、来るべき未来に備えて着々と準備を整えているようです。
「仮想通貨の開発ペースはまるでインターネット初期のようだ」と発言しているアップルの共同創業者スティーブ・ウォズニアックは、ブロックチェーン関連企業への参画を表明しています。
いまではアップルと直接の関係はないかもしれませんが、アップルを創業した一人として見逃せない動きといえます。
ウォズニアックは「インターネットも初期段階では非常に開発が遅かったが、現代ではなくてはならないのになっている」とも言っており、仮想通貨の可能性を認めています。
確かに今年の仮想通貨は忍耐を強いる展開になっていましたが、それほど悲観することではないことは確かなようです。
2019年以降の仮想通貨市場は一攫千金狙いの投機的ユーザーが市場から退場し、法整備も進んでより健全な市場環境となっていくことでしょう。私たちのような仮想通貨への仮想性を信じている者としては、長期的な視野でじっくりと付き合っていくことが大切ではないでしょうか。
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