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クリプトマッスルです!
イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決してくれると期待されているものの1つである「ライデンネットワーク(Riden Network)」について、何なのか、特徴や問題点、将来性などを分かりやすく説明します。
スケーラビリティ問題に関してはこちらの記事を参考にしてください。
→イーサリアムの問題解決を期待されるシャーディング(Sharding)とは?
コンテンツ
ライデンネットワーク(Riden Network)とは?
ライデンネットワーク(Riden Network)の基本情報:
プロジェクト名:Riden Network
通貨単位:RDN
上限発行量:100,000,000 RDN
ネットワーク:ERC20
トークン配分:トークンセール:50%、運営保有分:33%、今後の開発費:16%
セール期間:2017年10月18日~11月1日
取り扱い取引所:Binance(バイナンス)など
公式HP:https://raiden.network/
公式ブログ:https://medium.com/@raiden_network
ライデンネットワーク(Raiden Network)とは、イーサリアムネットワーク上でERC20に準拠したトークンをオフチェーン処理で移動させることです。
ユーザー間でペイメントチャネルを作り、取引を随時記入するのではなく、作ったオフチェーンのチャネル上で仮の取引を積み重ねて、最終的な結果のみをブロックチェーンに記録します。
オフチェーン上なので取引承認を必要とせず、スケーラビリティ問題を解決し、高速取引や手数料の低コスト化などが可能になります。
ちなみに、ライデンネットワークはビットコインにおけるライトニングネットワークの仕組みとほぼ同じになります。
→ビットコインのスケーラビリティ問題を解決する「ライトニングネットワーク」とは?
ライデンネットワーク(Riden Network)の特徴
ライデンネットワークの特徴としては以下の3つが挙げられます。
- オフチェーン取引
- 手数料の低コスト化
- 高速取引
それぞれもう少し細かく見ていきましょう。
オフチェーン取引
イーサリアムのブロックチェーンであるオンチェーン上ではなくオフチェーン上で取引を行います。
そうすることで個々の転送がすべてパブリックなブロックチェーン上に記録されるわけではなく、最終的な記録だけ書き込まれる形となり、スケーラビリティ及び取引性能が向上します。
手数料の低コスト化
ライデンネットワークを利用することで、低手数料で少額の支払いを行うことができます。
しかし、ライデンネットワークを利用するには、チャネル開閉時に資金をデポジットする必要があり、そのデポジット量がチャネル内の最大取引量に比例します。
それゆえに、資産を多く持っている人以外は大口の決済はできず、小口の少額決済のみということが起きます。
高速取引
ライデンネットワークは、ERC20トークンを採用しているので、同じ規格のトークンの、高速かつ低手数料での交換に非常に適しています。
ライデンネットワーク(Riden Network)の問題点
ライデンネットワークにも以下の3点の問題点があります。
- 中央集権化
- 高額送金に向かない
- 実装されるかわからない
それぞれにもう少し詳しく見ていきましょう。
ネットワークの中央集権化
図は、左から「集権型のネットワーク」「一部集権型のネットワーク」「分散型のネットワーク」を表します。
引用元:https://medium.com/@jonaldfyookball/mathematical-proof-that-the-lightning-network-cannot-be-a-decentralized-bitcoin-scaling-solution-1b8147650800
ライトニングネットワーク時も話しましたが、ライデンネットワークにおいて、特定のピアに到達するために他のピアを介してつながります。
このとき、どのようにして最適な仲介ピアを選択するかという問題です。
1番右のようになる可能性はありますが、同時に、左側の2つのようになる可能性もあります。
ですので、左2つのようにライデンネットワーク内で数多くのペイメントチャンネルを開設している参加者を仲介とした、中央集権的なネットワークになってしまうのではないかという懸念が残ってしまいます。
高額送金に向かない
上述しましたが、ライデンネットワークを利用するには、チャネル開閉時に資金をデポジットする必要があります。
つまり、もし100万円相当のETHをライデンネットワークを使って送金したい場合は、チャネルを作る両者が最低でも合計100万円をデポジットする必要があります。
例えば、A→B→C→Dという4階層のライデンネットワークでもA→B、B→C、C→Dそれぞれのチャネルにおいて100万円のデポジットが必要になるということです。
さらに、参加者はそれぞれ複数のチャネルを持つことになるのでそれぞれのチャネルに対しデポジットを行わなければなりません。
ですので、多数のピアを介するライデンネットワークではこのような高額な送金は現実的でないことが分かります。
実装されるかわからない
そもそもという話ですが、これが一番の問題点といってもいいかもしれません。
2017年3月にRaiden Minimum Viable Productの実装が予定されていましたが、現在(2018年9月6日)でもまだ完成していないようです。
さらに、このように開発が遅れている中、今後についてのアナウンスが全くない状況です。
イーサリアムではプラズマ(Prasma)というスケーラビリティ問題解決のための別のプロジェクトも開発されています。
→イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する技術【プラズマ(Plasma)】とは?
このプラズマがライデンネットワークよりも早く実装されればRDNの価値が落ちてします可能性もあります。
ライデンネットワーク(Riden Network)の将来性
ライデンネットワークのICOは「ダッチオークション」という形式をとっており、この形式は、最初に売り手が高めの価格をつけ、次第に値を下げていくことで取引がスピーディーに進むという方法です。
従来のICOではセールの買い占めなどが起こり、短時間で販売終了になることもありますが、このダッチオークション形式を取ったことで、多くの投資家にRDNが分配されています。
このことからもわかるように非常に多くの期待が集まっていますが、上述したようにシャーディング(Sharding)やプラズマ(Plasma)などの技術が実装されてイーサリアムのスケーラビリティ問題解決のめどがついてしまうと、ライデンネットワークの価値は大きく減少する可能性があります。
→イーサリアムの問題解決を期待されるシャーディング(Sharding)とは?
また、公式ブログによると、開発者ですらも実用化がいつになるかはわからないとのことですが、現時点(2018年9月6日)でほぼ基本的なコンセプトは実装完了しているようです。
マッスルまとめ
ここまで、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決してくれると期待されているものの1つである「ライデンネットワーク(Riden Network)」について、何なのか、特徴や問題点、将来性などをできる限り分かりやすく説明してきました。
ライデンネットワークはイーサリアムの処理速度を向上させ、以下のような利用シーンで使われることを想定しています。
- 店舗決済
- 個人間取引
- 少額決済
- トークンの交換
- 分散型取引所
- IoT(Internet of Things)
高速取引、手数料の低コスト化の2つが最大のメリットなので、これが実現・実用化すればVISAやMasterなどのクレジットカードの速度に匹敵するレベルになります。
そうすれば、イーサリアムの価値もさらに高騰することでしょう。
今後も、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するであろうと期待されている多くの技術の動向から目が離せません。