Binance(バイナンス)

バイナンスが推進する法定通貨ゲートウェイとは

201912月現在でも暗号資産取引所の中には、暗号資産同士の取引しか認めていないところがあります。フォビグローバルやOKExなど取引量の多い取引所でも、日本円や米ドルのような法定通貨で直接取引することは出来ません。これが暗号資産普及の障害ともなっています。

かつてはバイナンスも暗号資産同士の取引ペアしか取り扱っていませんでした。しかし最近では法定通貨ゲートウェイという仕組みを導入し、さまざまな法定通貨で取引できるように変化してきています。今回はバイナンスの取り入れている法定通貨ゲートウェイについて解説します。

法定通貨ゲートウェイとは

法定通貨ゲートウェイの求める形は、振込手数料ゼロかつ簡単に取引できることです。振込手数料がゼロの取引所自体はそれほど珍しくありません。しかし法定通貨を振込手数料ゼロというサービスをバイナンスほど多くの銘柄を取り扱っているということが大きな意味を持っています。

日本でも日本円の振込手数料ゼロという取引所は複数あります。しかし取り扱っている取引ペアではバイナンスの1割にも届きません。これまで暗号資産に興味を示さなかった人や組織でも気軽に参加できることが法定通貨ゲートウェイの強みです。

法定通貨ゲートウェイの必要性

法定通貨ゲートウェイの必要性は、新規参入のハードルを下げるだけではありません。暗号資産やステーブルコインの抱えている問題点を解消する意味合いもあります。

暗号資産の問題点

暗号資産にはいくつかの問題点を抱えています。そのひとつがボラティリティの大きさです。11つの銘柄でボラティリティが大きいため暗号資産と暗号資産の取引ペアのボラティリティは、更に値動きが大きくなります。こういった現象を緩和するためにテザーなどのステーブルコインが普及しました。

ステーブルコインの問題点

ステーブルコインにも問題点があります。流通しているステーブルコインが、米ドルに偏っていることです。ステーブルコインの特徴からアメリカ国内の銀行に口座を持っている人ならば、米ドルをテザーや米ドルコインなどのステーブルコインを1:1で交換することが可能です。

しかしアメリカ国内の銀行に口座を持っていない人は、1:1で交換することが出来ません。ステーブルコインに交換する時に手数料なども含めて割高になることが多いです。このため法定通貨のままで取引することが望まれていました。

法定通貨ゲートウェイの背景

1.ビットコイン一強時代

現在法定通貨ゲートウェイが進められている背景には、いくつかの事情があります。ひとつは今なおビットコイン一強時代が続いていることです。

仮想通貨にはビットコイン以外にも1000を超える銘柄があります。この中には、イーサリアムやリップルといった業界内では著名な銘柄も含まれています。しかしこれらは全てアルトコインとして一括にまとめられ、相場もひとまとめとして見られる傾向が強いです。

このためビットコインが下落すると、アルトコインも揃って下落するということが少なくありません。リスク回避のために複数銘柄に分散投資をしていても、ビットコイン次第で相場が決まるようでは分散投資の意味合いが薄れてしまいます。

こういった事情に直接影響を受けるのが取引所です。そのような影響もあってか取引所は、レンディングやステーキングといった多様なサービス展開を開始しました。

2.取引所のサービス充実

バイナンスは法定通貨に特化した取引所にしようとしているわけではありません。サービスを充実させるという全体の目標のひとつとして法定通貨ゲートウェイを実行しています。

近年のバイナンスは、レンディング・ステーキング・先物取引・アプリとさまざまな新サービスを実現させてきました。さらにレンディング・ステーキング可能な銘柄を増やしたり、先物取引のレバレッジ倍率を引き上げたりとサービス充実に取り組んでいます。法定通貨ゲートウェイも、バイナンスが始めた新サービスのひとつと見なすこともできるでしょう。

バイナンスで取り扱っている法定通貨

20191212日現在でバイナンスが取り扱っている法定通貨は以下の17銘柄です。12日にブラジルレアルとアルゼンチンペソの2銘柄が追加されました。今後も増えていくと思われます。

米ドル(USD)・英ポンド(GBP)・カナダドル(CAD)・ユーロ(EUR)

中国元(CNY)・ロシアルーブル(RUB)・トルコリラ(TRY)・ナイジェリアナイラ(NGN)

ウクライナフリヴニャ(UAH)・カザフスタンテンゲ(KZT)・キューバペソ(COP)

ベトナムドン(VND)・インドネシアルピア(IDR)・ブラジルレアル(BRL)

アルゼンチンペソ(ARS)・メキシコペソ(MXN)・インドルピー(INR)

まとめ

法定通貨を導入する流れは、バイナンス以外からも出てきています。仮想通貨両替所として知られているシンプレックス(Simplex)も日本円とカナダドルを取り扱うことを発表しました。更に今後、ロシアルーブルやトルコリラも追加することを示唆しています。

2017年は仮想通貨の年、2018年はステーブルコインの年でした。2020年は法定通貨が追加されていく年になるかもしれません。