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クリプトマッスルです!
7月2日に金融庁が、仮想通貨交換業者を規制する法律について、現在の「改正資金決済法」から、「金融商品取引法」に移行する検討に入ったことが産経ニュースの報道により判明しました。
実際にはデマだった
しかし、実際には金融庁から「いっさいそういった事実はない」という回答があったことがその後明らかになりました。
現在、金融庁では定期的に「仮想通貨交換業等に関する研究会」というものを開催しており、学識経験者や金融実務家などのメンバーを招き、仮想通貨交換業に絡む 各問題について制度的な対応を検討するために議論と勉強会を兼ねて行っているそうです。
そして金融庁によると「少なくとも、そういった検討事項があれば、研究会のほうに議題として挙がるので、まったく議題に挙がっていないものが検討に入ることはありえない」と回答されたことが分かりました。
さらに過去4回開催されている研究会においてそのような議題は一切挙がっていないとしています。
今回の報道の内容とは
その報道ですが、仮想通貨交換業者を規制する法律を、現在の「改正資金決済法」から「金融商品取引法」に移行することを検討しているというものでした。
現在の改正資金決済法は、仮想通貨を電子マネーなどと同じ法定通貨に準ずる支払い手段として認め、それに対して規制が行われています。
改正資金決済法とは…
「資金決済に関する法律」に「第三章の二 仮想通貨」が追加されたもので、仮想通貨法とも呼ばれています。
この法律によって仮想通貨の定義や仮想通貨交換業(取引所や販売所)の定義及び規制が定められてものです。
仮想通貨の定義
- 物品の購入やサービスの対価として不特定の相手に使用できるもの
- 不特定の相手と取引が可能なこと
- 電子機器または電子的な手段で記録され、電子情報処理組織(プロバイダ)を用いて移動させることができるもの
- 日本や外国の法定通貨または通貨建資産ではないこと
仮想通貨交換業(取引所や販売所)の定義及び規制
- 仮想通貨の売買と交換
- 仮想通貨取引の媒介、または代理
- 上記2つの行為に対して利用者の法定通貨または仮想通貨を管理する
営業については金融庁の認可(内閣総理大臣による登録)をうけるための条件
- 株式会社または日本国内に営業所がある海外の仮想通貨交換業者
- 海外企業の場合は国内にも代表者を用意すること
- 資本金額1,000万円以上かつ純資産額がプラスであること
- 事業を行う上で必要な体制が整備されていること
- 法制度を遵守するための体制も整備されていること
- 仮想通貨交換業以外の業務が公益に反さないこと
- 取締役または監査役、会計参与等が破産などの欠格事由に相当しないこと
(参考元:https://coin-portal.net/basics/investment/crypto-currency-law/)
これが金融商品取引法になると、仮想通貨は支払い手段ではなく金融商品といて扱われることになります。
金融商品取引法とは…
有価証券の発行や売買などの金融取引を公正なものとし、投資家の保護や経済の円滑化を図るために定められた法律を指します。金融市場の国際化への対応を目指し、2006年に従来の証券取引法が一部改正され、金融商品取引法として成立しました。主な柱として、投資性の強い金融商品に対する投資家保護法制の構築、開示制度の拡充、取引所の自主規制機能の強化、インサイダー取引など不公正取引への厳正な対応などが定められています。
これにより仮想通貨は、証券などに適用される金融商品取引法に基づく規制を受けることになり、投資家保護の強化につなげるといった内容でした。
改正資金決済法では、取引所の経営が悪化した際に顧客の資産を保護する仕組みが不十分だということから、金融商品取引法への移行を検討しているというものでした。
本当に移行したらどうなるのか
結果として今回の報道はデマでしたが、もし実際に改正資金決済法 から金融商品取引法に移行した場合どうなるのか、考えられることとして以下の3つが挙がります。
- 投資家の保護のための市場の透明化
- 新たな金融商品の誕生の可能性
- 総合課税から分離課税に移行
上記でも触れましたが金融商品取引法に移行して仮想通貨が金融商品として扱われ規制が明確になると、インサイダー取引や不公正取引などが規制されて投資家保護の強化につながると考えれます。
さらに、仮想通貨が金融商品として扱われるようになれば、仮想通貨によるETF(上場投資信託)などの新たな金融商品が誕生する可能性があります。
そして、先日国会でも議論された仮想通貨の税金が総合課税の雑所得から申告分離課税への変更というのも現実にありえるかもしれません。
Twitterでも話題になりました。
金商法で分離課税近づいてるんじゃないか説があるけど、例えばゴールドも現物の場合は雑所得での課税が基本。外貨預金もそう。金投資口座やCFD、店頭FXとかいわゆる指数系のバーチャルなやつだけが分離課税。
なのでBTCFXとか店頭取引系(SBIみたいなやつ)だけが申告分離課税になると予想する。— ヨーロピアン (@sen_axis) 2018年7月3日
じゃあどうなるかっていうと現状のアルトコインはFXやらのデリバティブ発達してないからここで差がつくか……。現物売買は投機として考えると税金のドローダウンがキツイよねというお話になりそう
— ヨーロピアン (@sen_axis) 2018年7月3日
個人的には分離課税は頑張ってくれなくてもいいから少額決済非課税になって欲しい。日常で決済したい。
— ヨーロピアン (@sen_axis) 2018年7月3日
マッスルまとめ
今回の報道ですが、結局はデマだということになりましたが、何もないところから煙は立たぬなんて言いますし、何かしらあったのかなとも思います。
2018年1月のコインチェックによる不正流出事件をきっかけに、投資家保護の仕組みの再構築など、業界再編が不可欠とされ、金融庁は仮想通貨取引所への実態調査を行なっています。
つい先日も、国内の取引所6社へ業務改善命令を出したばかりです。
また、2018年5月に行われた、「G20」の金融政策機関が、仮想通貨を「金融資産」として認める方針に同意しており、各国に対して、仮想通貨業界におけるグローバルスタンダードとなる「統一された規制」の提出期限を7月までに定めており、今月21〜22日の2日間で行われるG20第3回財務大臣・中央銀行総裁会議で規制に関する最初の実践的な提案が発表される予定になっています。
これにおいて日本は、世界に先駆けて投資家保護の仕組みを整えることで、仮想通貨業界をリードしていく考えもあるのかなと思います。