10月11日、米メディアのCNNは独自のNFTマーケットプレイスVault by CNNの退散について詳細を明らかにしました。
この発表で「Vault by CNNに別れを告げる時が来た」とCNNはコメントし、今後についてはコミュニティーの発展および維持することはないものの、NFTコレクションは継続してVaultのマーケットプレイスで取引を可能にすると述べています。
加えて詳しい情報はまだ決定していないものの、関係者によればNFT購入者への補償として暗号資産FLOWトークンやステーブルコインを配当する案も浮上していることがわかっており、当初のミント価格の2割を返却するという意見も出ているとのことです。
Vault by CNN
CNNは米国を代表するリベラル系の大手メディアです。2021年6月にCNNがローンチしたプロジェクトのVaultは、過去にテレビで放映した歴史的行事をMomentsとしてNFT化するという特徴を持っています。基盤技術にはDapper Labが提供するブロックチェーンFlowを採用しました。
同プロジェクトでは米大統領の当選が判明した際の画面やベルリンの壁の崩壊をはじめ、初のスペースシャトルの発射など歴史的瞬間をNFT化してきました。なおこれらのコンテンツにおける商権はCNNが保有し、NFT保有者はポスターのようにNFTを鑑賞することができる仕組みになっています。
NFTはDapper Walletを利用して、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの暗号資産や法定通貨でも購入可能です。
Flowは高速トランザクションと低コストの取引量を誇るブロックチェーンで、NFTブームの先陣を切ったNBA Top ShotやCrypto Kittiesを手掛けたDapper Labsが開発を手掛けました。日本国内ではDAZNとミクシィの提供するDAZN MOMENTSも同ネットワークを採用しています。
ラグプルとの声も
今回のNFT事業退散を受け、コミュニティからはCNNのNFT計画をラグプルと批判する声も少なくはありません。
CNNが「Vaultは当初6週間限定のプロジェクトだった。」と説明している反面、2022年4Q(10月〜12月)や2023年まで及ぶロードマップ構想を公式サイトで公開しています。ユーザーからは将来的に新たな機能を追加する可能性を示唆したにもかかわらず、今回の退散発表が行われた点について非難の声が高まっています。