どうも!こんにちは!
クリプトマッスルです!
今回は理解するのがなかなか難しいアトミックスワップ(Atomic swap)について出来るだけ分かりやすく説明したいと思います。
アトミックスワップとは
アトミックスワップとは、種類の違う仮想通貨を取引所などの仲介や第三者と通さずに、且つトラストレス(信用を必要としない)で不正のない取引を可能にするシステムのことを言います。
例えば、AさんとBさんがいるとします。
AさんがBさんにライトコインを送って、BさんがAさんにビットコインを送るといったことが取引所を通さなくても不正なく取引が可能になるということです。
この個人間で安心して行える取引がどういった仕組みなのか詳しく説明します。
アトミックスワップの仕組み
従来通りの取引所を介した取引は以下の図のような仕組みで行われています。
引用元(https://coinotaku.com/?p=17806#1)
この場合だと、取引所がハッキングされたりなどのリスクが常に付き纏うことになります。
しかし、この取引を取引所を介さずアトミックスワップを使用して行うと次のようになります。
引用元(https://coinotaku.com/?p=17806#1)
アトミックスワップでは、取引所のような仲介の代わりにネットワーク上に一時的にお金を預ける金庫のようなものが存在します。
この金庫がHTLC(Hashed Time Lock Contract) と呼ばれるもので、送金時に与えられる「マルチシグ(複数キー)」がそろった時のみロックが解除される仕組みです。
例えば、上記画像のAさんがビットコインをBさんに、Bさんが同価格のライトコインをAさんに送る約束をするとします。
アトミックスワップを使用して送ると、それぞれにマルチシグ(画像の場合①と②)が発行されます。
お互いが送金を完了し、マルチシグがそろい条件が満たされたとHTLCが判断すると、相手に仮想通貨が送られます。
このHTLCとマルチシグを利用することで、持ち逃げなどといった不正を防ぐことが出来ないようになっています。
一見すごく画期的なシステムのようですが、もちろんデメリットもあります。
次は、アトミックスワップのメリット&デメリットについて説明します。
アトミックスワップのメリット&デメリット
アトミックスワップのメリット
- トラストレスで取引が可能
- 匿名性が保たれる
- 違う仮想通貨間で取引が可能
- セキュリティの向上
以上がメリットになります。
それではそれぞれ詳しくみていきましょう。
トラストレスで取引が可能
従来は、取引所を介して仮想通貨の交換をする際は、交換する者同士で取引所を信用し取引を行わなければいけません。
しかし、アトミックスワップでは取引所などの仲介者を介す必要がないので誰かを信用することなく(トラストレス)仮想通貨の交換を行うことができます。
匿名性が保たれる
もし、仮想通貨取引所のデータがハッキングされたら、あなたの個人情報と保有資産も流出する可能性があります。
しかし、アトミックスワップによって取引所のような第三者が必要ではなくなれば、個人情報の提供が不要になり、毎回の取引が個人同士で行われるようになるため、個人情報流出の危険性が非常に低くなります。
違う仮想通貨間で取引が可能
通常、仮想通貨は各々のブロックチェーンを持っているので、ブロックチェーン同士の接続性や拡張性はまだまだ低いのが現状です。
アトミックスワップは異なるブロックチェーン同士を繋ぐことができるクロスチェーン取引を実現しており、上記の問題を解決できるとされています。
セキュリティの向上
個人同士で取引をするため、自身のウォレットのみで取引を完了することができ、取引所に自身の仮想通貨を預ける必要性がなくなるのでセキュリティの向上に繋がります。
両者の送金を確認しない限り取引は完了しないため、詐欺や持ち逃げのリスクは極めて低く、セキュリティは強固と言えましょう。
アトミックスワップでは両者の取引は同時に行い、お互いの送金が確認できないと取引が完了しないので、片方の持ち逃げや詐欺のリスクは低くなります。
アトミックスワップのデメリット
- 送金に時間がかかる
- 手数料が上がる
- 限られた仮想通貨間のみ可能
以上がデメリットになります。
それではそれぞれ詳しくみていきましょう。
送金に時間がかかる
アトミックスワップの問題点として、送金時間が通常より長くかかってしまうことがあります。
例えばですが、ビットコインは取引承認を行うブロック生成時間が約10分となっており、これが送金時間にあたります。
そこでアトミックスワップを使用すると仕組み上、さらに6ブロック生成されなければ送金が行われないという問題点があるために、最悪のケース1時間ほど送金にかかってしまう可能性もあり相手に不信感を抱かせかねません。
手数料が上がる
アトミックスワップは仲介者が必要なく「取引手数料」はかかりませんが、その代わりに取引承認(マイニング)を行うマイナーに手数料を支払わなければいけません。
手数料は自身で調整することができますが、マイナーにとって報酬であるため安すぎると取引承認を後回しにされやすくなり、かといって高く設定すればそれだけ早くなる可能性はありますが、取引手数料より高くなってしまう可能性もあります。
限られた仮想通貨間のみ可能
現在(2018年8月17日)、アトミックスワップは全ての仮想通貨で行えるわけではなく、アトミックスワップが実装された仮想通貨のみで行うことが可能です。
- ビットコイン
- ビットコインキャッシュ
- ライトコイン
- モナコイン
- イーサリアム
- ヴァートコイン
- ビアコイン
- ディークレッド
などです。
アトミックスワップはトランザクションにおいてお互いにハッシュ関数が同じものを使っている必要があるため、現段階では全ての仮想通貨で実装することはできません。
アトミックスワップの将来性
上記のように課題も存在するアトミックスワップですが、今後アトミックスワップを採用した分散型取引所のAltcoin.ioが開設される予定です。現在、メールの登録が開始しています。
分散型取引所については以前の記事で詳しく書いているのでそちらをご覧ください!
こういったシステムが広がっていくことによって、中央集権的だったシステムがどんどん分散化していけば、仮想通貨の目指す分散管理による民主主義にもっと近づいていくかもしれません。
※現在、Altcoin.ioはアトミックスワップではなくPlasma(プラズマ)を使用した分散型取引所に転向しています。
Plasma(プラズマ)については以前の記事を是非ご覧ください!
マッスルまとめ
今回は、アトミックスワップとは何か?というテーマにメリットとデメリットなどを交えながら説明しました。
現在、お金の取引や保存をしている金融機関(郵便局や銀行、保険など)は私たちの信用の上で成り立っており、第三者を信用することなしにそれらを利用することはありません。
そこで、アトミックスワップを利用することで通貨の種類が関係なく、個人間でトラストレスに取引が行えるようになり、これは世の中を変える画期的な仕組みであると考えられています。
しかし、現在はアトミックスワップに対応している仮想通貨が少ないのもまた事実です。
今後、ほとんどの仮想通貨がアトミックスワップに対応したら取引所は必要なくなるかもしれません。
そうなってくると仮想通貨市場がどうなるのか目が離せません。
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